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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

写真って楽しい  2

No2 焦らない写真

ある休日にちょうど見ごろを迎えている花を撮影しようと出かけたと仮定して今回はお話を進めます。

撮影先の現場に到着するともっと早くから来ていたカメラマンの人たちが三脚をかまえて写真を撮っています。 その雰囲気にのみ込まれてはやく自分もバッグからカメラを取り出し三脚をセットして撮らなければいけない。 まずはあの人の横で構えてみるか・・・などと考えながら撮影テンションをあげていきますよね。

教室の屋外実習を観察しているとよく見受けられる光景です。とりあえずあの場所にたくさんの人たちがカメラを構えているから撮ってみるか・・・そんな気持ちから撮影が始まります。そうすると次の場所に移動してもまたその繰り返しになり出来上がった写真はみなさんよく似かよった写真ばかりができあがります。これはその場で 撮らされた写真でありただなんとなくよく見えたからシャッターを押したという感じのスタイルです。後日、できあがったプリントをみながら質問してもどうして写したのか曖昧な答えしかかえってきません。本当に自分がその場面に感動して写した写真ですという答えが返ってこないのです。

ではどうすればいいのか・・・・・

今度出かけるときにひとつだけ心がけてほしいことがあります。あわてずゆっくりとその場(みんなが撮影している)を観察してみてください。先にカメラをかまえている人がどこをどう見ているのかを考えながら。そうすると自分はここをこう撮ってみようかなという余裕ができます。 でもまだ撮影にはとりかかりません。その隣で撮影している人をまた観察します。レンズは?何ミリぐらいの焦点距離のを使っているのか?そのレンズを覗いた感じを想像してみます。そして自分なら何ミリのレンズを使うかなと考えます。そしてそのレンズで撮るとどんな仕上がりになるのかを想像してみます。
そこからいよいよ実際の撮影準備をしていきます。そのころにはその場のなにをどう撮るのかが少しずつはっきりしてくるでしょう。

「写真はチャンスをどう見据えるかだ、ぐずぐずしていたらいいチャンスが撮れない」 なるほどあたりまえのことですよね、でも何がピークなのかを見極める眼をしっかりとやしなうことを訓練していかないとせっかくのチャンスにめぐり会えても見落としてしまいます。

まずは、あせらない写真撮影のスタイルをみにつけてよく被写体を観察することから始めましょう。人物撮影でも写真用の笑顔で撮り終えたあとにその人の素顔をとらえるチャンスが潜んでいます。それを撮れるのが本当のシャッターチャンスだと思います。こんなことが自然にできるようになるためにもあせらないゆっくりとした流れの中で撮影できるスタイルをこころがけましょう。

※ファインダーのなかは自分だけが作り上げるワンダーランドで満ち溢れています。
 自分だけの世界が楽しめる魔法の小箱、それがカメラです


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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