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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

思い出

明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします。

暮れのカウントダウンまでは何かと気忙しく感じますが、除夜の鐘が鳴りだす頃には気分も来る年の晴れやかさに期待を膨らませています。
皆さまにとって良き年になるよう心から願っています。

最近ふと、子供の頃の記憶が蘇ってくることが多い気がします。兄弟と遊んだり祖父に叱られたりなど、断片的ですがその時の情景が昨日のことのように浮かんだりしてきます。
小学生時代以前の写真は「伊勢湾台風」で全て無くしてしまっています。それ以後の写真も引っ越しや結婚などの節目ごとに何処かにいってしまったようで、自分の記憶の中の映像しか今はありません。写真を撮る行為自体あまりない時代で育ったので尚更かもしれません。
そんな記憶の断片を頼りに、いつ頃から写真(カメラ)に興味を示したのかを考えてみました。小学生の頃、雑誌のおまけについていた「日光写真」が最初だったと思います。それから駅前の小さな雑貨屋のショーケースの中に飾ってあったおもちゃのようなカメラを買ったのが初めての機材だったはず。もちろんぼんやりとしか写っていなくてがっかりした印象だけが残っています。高学年になって初めて本物のカメラ(友達のですが)、フジペットに触ってすごいと感心したことをいつも思い出します。
18歳頃にアルバイトで貯めた小遣いで最初の一眼レフカメラを買いました。
今は壊れて使えませんがこの一台だけは残してあります。
毎日枕元に置き空シャッターをよく押していました。カメラ雑誌を読みあさり、なんとなく絞りやシャッタースピードを理解していたようです。その頃はフィルム感度も100が主流で、現像に出すと半分以上が露光不足な薄いネガだった気がします。今のデジタルカメラがその頃あれば、きっと楽しくて仕方がなかったと思います。
そのうちに近所の写真好きなおじさんたちと知り合いサークルに入れてもらい、写真沼に入っていったという状況です。それから50年近く写真に関わってきました。でもやはり写真を始めた頃のあのウキウキ感に勝るものはなかったと思います。

このコーナーに訪問していただく方々も、写真を始めた頃のことはきっとよく覚えてみえるのではないでしょうか?デジタルであればひとつひとつのボタンやダイヤルの操作に、戸惑いと期待感が入り混じった気持ちでカメラを触ったはずです。写るのが当たり前の今の機材ですが、その時の初心はいつまでも忘れたくないですね。
私たち教える側も初心の頃の自分を思い出しながら何をどう伝えれば良いのかをいつも試行錯誤しています。ご自分の中でどう写したら良いのかを日々考えていただき、それに沿った質問などをしていただくのが写真上達の近道です。料理教室でも同じですよね。ただ作っていく過程を眺めて出来上がったものを頂くのではなく、どのタイミングで個々の調味料を入れるのか、隠し味などをどう作り上げていくのかをよく観察していかないと美味しい料理を自分一人で作ることは難しいと思います。本物の美味しさを知るには一流料理を実際に口にしないと分からないように、世界が認める写真集などを見ることをお勧めします。きっとその中に今年のステップアップのヒントが隠されているでしょう。

今月の一枚

冬の風物詩になっている、静岡県・奥浜名湖の浜名湖佐久米駅ホームに集まるカモメの大群です。平日の乗降客が20〜30人という小さな無人駅です。十数年間餌付けをされている近くの方が、電車の到着時間に合わせてパンの切れ端を与えてくれます。多いときには800羽近くの大群が押し寄せ、電車がうまく写真に収まらないほど集まるそうです。小さなホームなのでマナー良く譲り合いで撮影したいですね。
広角系のレンズが被写界深度も深く写しやすいでしょう。動きが速いカモメでも止まってみえるように、速いシャッタースピードを設定しておくと良いと思います。
駅に併設している喫茶店で、個人的に与えるパン(餌)の購入が可能ということです。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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