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デジタル写真の楽しみ方

(社)日本写真家協会(JPS)会員・フォトス ハットリ 代表
服部 辰美

1cmの奇跡

今年の夏は暑かったですね。真昼の外を出歩くにはそれなりの覚悟が必要なくらいの猛暑だった気がします。その分秋の気配が早く訪れた気がします。今月は過ごしやすい日々です。いろいろな撮影計画も立てやすく実りの秋といえる季節にしたいですね。

少し前にラジオから聞こえてきた歌にふと興味を覚え題名を確認してみました。
『1ミリのキセキ』村上ユキでした。少しでも恋人の側にいたい、そんな歌詞内容でした。この曲を聴きながらなぜかマクロレンズで花を撮影するイメージが浮かんできました。写真を始めてまず撮ってみたい対象のベスト3に入るのが(花の撮影)です。でも購入した標準ズームレンズでは作例写真のようにクローズアップした写真が撮れないことに気づきます。そこで勧められるのがマクロレンズという短焦点レンズです。撮像素子上に等倍まで写しとることができ花芯などのクローズアップも可能になり見たことがない世界を写しとることが楽しくなってきますよね。レンズの絞りの開放値も2.8まであり前後のボケの美しさもとても綺麗です。このレンズを使いこなすには先ほどの歌詞のようにまず思いっきり被写体に近づいて撮影してみることをお勧めします。

このマクロレンズで撮影する時の注意点は、絞り値の設定で写り方(見え方)が大きく変わる点です。被写体に近づいていくほど同じ絞り値で撮影しても被写界深度が浅くなります。ピント位置をしっかりと自分で決めながらその前後のボケ具合を確認しながら撮影していきます。被写界深度の広がり方もピント位置に対して前後に1:1で表れます(一般のレンズでは前1:後方2の割合で広がります)。ブレにも注意が必要です。左右上下のブレはカメラのブレ防止機能が働きシャッタースピードの調節で防げますが、前後に身体がぶれてピント位置がずれてしまう前後ブレは防ぐことが難しくなります。数cm近付くごとにその影響が大きくなってきます。こんな時は、面倒でも三脚を使用してください。

ソーシャルディスタンスが常識の今日でせめて花に遠慮なく近づいてマクロで見える不思議な光景をこの秋楽しんでみてください。1cm近寄るごとに奇跡を感じるのではないでしょうか?

今月の一枚

 秋の気配が深まった滋賀県にあるローザンベリー多和田という所です。
ここのオーナーが丹精込めて広い庭園を管理されていて四季を通じていろいろな草花やイングリッシュガーデンの観光農園が楽しめます。
花やモニュメントなど写真的に切り取る風景が色々あります。年間を通じてよく通っています。食事の施設もいろいろ整っていて一日遊べる所です。


筆者のブログには、デジ一眼やコンデジで撮影したものを
いろいろ掲載しています。
PHOTO COLOR
http://tatumiiro.exblog.jp/

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