文化講座
Well-being120・・8 私たちが直面していること
地球や宇宙で近い未来に私たちが安心して生きられるかどうかと直面、切迫した問題があります。
人類がつくり出した問題ばかりです。
一人ひとりが自覚した生活をしなければならない課題の第1は地球温暖化の原因である気候の危機、第2は化学物質、プラスチックなどのごみによる地質や海の汚染です。
次の第3の問題は資本主義の危機を迎えていることです。
私は、人権と価値観による選択の自由があり権力者をつくらない「Commons 協働社会」が必要だと思っています。
わが国最初のノーベル経済学賞受賞を期待されていたが、残念ながら亡くなった宇沢弘文の「社会的共通資本」と、「AI・IoT時代」の考え方に基づいています。
まず、気候変動と危機を取り上げます。
昨年9月、ニューヨークの国連本部で「気候行動サミット」が開かれて、如何に気温上昇を抑えるかが課題でした。
パリ協定では「気温上昇を1.5℃に抑える」ためには2030年までにCO2排出量を50%減らす目標を掲げました。
ところがトランプ大統領は2020年以降の地球温暖化防止の国際枠組みの「パリ協定」から離脱すると通告したのです。
小泉環境大臣は「気候変動のような大きな問題への取り組みは楽しく、かっこよく、セクシーであるべきだ」と演説前の記者会見で述べたと報じられる軽さです。
肝心の演説でも国際的ひんしゅくを買っている化石燃料の石炭発電所を国内のみならず海外に輸出する課題や50%削減目標についても、前向きで具体的な策を何も取り上げませんでした。
そうした問題意識と姿勢にスウェーデンの16歳のグレタ・トゥンベリさんが、国連の演説で、自分たち子供に地球温暖化の地球環境危機を押し付けている無責任さに対して「People are suffering.People are dying. Entire ecosystems are collapsing. We are in the beginning of a mass extinction. And all you can talk about is money and fairy tales of eternal economic growth. How dare you!」(「No One is too small to make a difference」by Greta Thunberg)と、無責任な姿勢に科学的事実を突きつけながら訴えたのです。
「貴方たちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くと言うおとぎ話ばかり。よくもそんなことを言えますね」と有名な演説です。
世界的権威のある「TIME」誌で、彼女は「Person of the Year」に「The Power of Youth」と評価されて選ばれました。
その特集では世界中での若者たちの抗議デモや国際的な6人の知性ある指導者たちとの会見の様子などが写真となっています。
日本は世界で中国、アメリカ、インド、ロシアに次いで5番目の大量CO2排出国家ですが、つけを次世代に押し付けています。
日本はトランプ大統領のような自分ファーストの政治家に従っている首相、環境大臣、政治家や危機意識の乏しい企業や大人たちの情けない国となっています。
グレタさんのような権力者ではないリーダーがネットワークによるつながりによって人類や社会共通の課題をひとつひとつ解決するのが「Commons 協働社会」です。