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幸福寿命・Well-being Lifetime

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アップグレーズ狂人 UpGrades Crazy
医学博士 山中直樹

Well-being120(120歳まで幸せに生きる)・・18 Well-beingになるキーは-2 コロナ禍、気候危機と向き合う

 今後、パンデミックは病原微生物や気候危機が起こると予想されます。
 「パンデミック」はWellbeingに大きな影響があります。
 気候危機パンデミックはコロナ禍をはるかに超える人間や自然の破滅となります。
 ドイツの若い哲学者M.ガブリエルが『全体主義の克服』で述べているように、コロナ禍で言われている「パンデミック」とは古代ギリシャ語から来ています。
 「全(パン)・民衆(デミック)」を意味しているのです。
 つまり、「全民衆、あらゆる人」「被害に合う」となります。
 パンデミック・全民衆は私たちのこれからの社会や全ての一人ひとりに大きな影響があると考えねばなりません。
 今回のコロナ禍も気候危機と深い関係にあります(『人新世の「資本論」』斎藤幸平著)
 気候危機はコロナ禍をはるかに超える「パンデミック」であり、「全民衆」どころか全ての地球上の生命や環境を破壊する危機があるのです。
 コロナ禍で明らかになったように、民主主義社会では当然と思っていた、一人ひとりが他の人たちと会話し、食事をしたり、外出や運動する接触すら危険だと制限されました。
 また、一人ひとりの日常行動をデジタル監視システムで「監視」されることが当然のように行われることになりました(Y.N.ハラリ『緊急提言 パンデミック 寄稿とインタビュー』、斎藤幸平『人新世の「資本論」』)。
 ハラリが指摘するように、この監視システムは私達一人ひとりの血圧や脈拍のみならず、心、精神状態まで持続的に観察することが出来る「全民衆・パンデミック」対策だとして利用可能なのです。
 ガブリエルの言う「科学と技術への服従」であり「デジタル全体主義」が促進され、斎藤幸平が問題にする「資本主義による成長・利益主義」による全体主義となる危機が進んでいるのです。
 また、コロナ禍のパンデミックでハッキリしたように、人権無視の「弱者」切り捨て、貧富や人種による差別が起こりました。
 「人の命」は「パンデミック」では「平等」でないことがはっきりしました(婦人之友社編集部『コロナと向き合う 私たちはどう生きるか』最上敏樹)。
 国連事務次長の中満泉が想う「人を思いやるが大切で」『コロナと向き合う 私たちはどう生きるか』)、斎藤幸平の「相互扶助、社会連帯、参加型社会」であり、ハラリの「新しいテクノロジーも絶対に活用するべきだが、それは国民の権利を拡大するテクノロジーでなくてはならない」のです。
 しかし、我が国の前首相や現首相の言動は最上敏樹が指摘するように「隠蔽や改ざんやしらばっくれをくり返してきた為政者の言うことは信頼できないのです。
 その意味で今回の危機は、日本においては医学的・疫学的危機である以上に政治的危機である」『コロナと向き合う 私たちはどう生きるか』)の現実があり、信頼できない政府による「デジタル化社会」は危険極まりないのです。
 日本でも「危機に乗じたデジタル監視システム」によるデジタル全体主義の台頭を阻止せねばなりません。
 逆に「デジタル民主主義」社会建設の好機としましょう。
 最上敏樹の「自然を克服し自然の驚異から永遠に自由であると言う幻想」「無限に成長する経済という夢物語」から脱して「人間の善性や誠実さや連帯」でWellbeingになろう。

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