文化講座
Well-being120・・3 高齢者の役割
AI 、IoT、Big Dataの時代となって高齢者世代とはX世代(1961~1976年生まれ)の1960年以前の生まれの人達とします。
つまり、高齢者はITが普及する時代前の1960年以前生まれの世代を意味しているのです。
ミレニアル世代はデジタルネイティブ世代であるY世代(1977~1995年)、インターネットが当たり前の世代はZ世代(1990年後半~2012年生まれ)と呼ばれます。
最近、関東に住む中学生の孫が小学校低学年の妹とは世代間格差を感じると言っているぐらいで、時代の変化は速いと判ります。
そうした時代であっても高齢者が次世代の大人、幼児や若者たちにとっても存在している意味や重要さはあるのです。
NHK連続テレビ小説の「なつぞら」では、草刈正雄演ずる北海道開拓者の「おじいさん」は主人公の戦災孤児なつにとっては多くの生きるための危機を乗り越えるために不可欠の存在の役割や意味を果たしています。
なつがお兄さんとともに寄宿している「風車」の店主で戦争の悲劇を乗り越えた亜矢美も大切な東京の"母親"となっています。
戦災孤児のなつにとって何の血縁関係もないが、なつの言う"ありえない家族"としてそれ以上の深い人間関係を持ってテレビアニメの開拓者として成長しています。
高齢者の「おじいさん」や"家族"が血縁とは無関係にそれ以上の子供にとって重要な存在の意味を示していると判ります。
カナダのモンゴメリが1908年に発表した「赤毛のアン」、スイスのシュピリの「アルプスの少女ハイジ」は1880年に「ハイジの修業時代と遍歴時代」として匿名で出版しました。
いずれも「おじいさん」や「高齢者たち」がアンやハイジの成長にとってキーとなる重要な役割を果たしています。
アンは男の子を望んだ老兄妹が、ハイジは人間に失望しているおじいさんの存在がなくてはならない幼女、少女の成長を支えました。
アンは孤児でしたが無口で口下手なおじさんのマシュウや妹のマリラが心の拠り所となって明るく想像力豊かな深い関係の"家族"となって成長しました。
ハイジはおじいさんの息子の子供でしたが両親は早死にして母親方の叔母さんに5歳まで育てられました。
それから、戦争の悲劇から人間不信で世間の人達とは隔絶したアルプスの高地アルムの自然と牧草地で山羊を飼育しながら一人で生活するアルムじいさんに預けられて成長しました。
いずれのおじいさんや多くの血縁のない人達は、それぞれが自分流の生き方をしながら大切なことを血縁以上の深いつながりで幼児の心に不可欠の存在となっています。