文化講座
Well-being120(120歳まで幸せに生きる)・・32 自然の生きがい Wellbeing-ism・ウェルビーイングイズム-2
前回ではWellbeing-ism・ウェルビーイングイズムが重要になる時代だと創始して提言しました。
Humanism・ヒューマニズムは人類が万物の霊物として最も知恵のあるものとしてきました。
しかし、人工知能(AI)研究・開発の権威者レイ・カーツワイル・Ray Kurzweilは技術的特異点・Technological SingularityによってAIが自律的に学習を繰り返して学ぶことができる機械的知性が2045年頃には人類の知性を超えると提言しました。
つまりは、人類が万物の霊長としての立場を失うことになります。
Post・Humanism・ポストヒユーマニズムの始まりであり、今日、盛んに議論されています(レイ・カーツワイル『ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき』)。
ユヴァル・N・ハラリが『サピエンス全史―文明の構造と人類の幸福』として人類の歴史を顧みました。
そして、ハラリはホモ・デウスと名付けた人類の未来を予想したのです(『ホモ・デウス―テクノロジーとサピエンスの未来』)。
ノーベル文学賞を受賞した長崎生まれだが英国人になったサー・カズオ・イシグロは2021年3月に『クララとお日さま』を世界同時発売しました。
情緒も細やかに持っている汎用AIロボットと人間との関係を長編小説としています。
また、ロボットの研究をしながら人間を深く理解しようとしている石黒浩は身近になるロボット人間の未来についても洞察して2021年11月に出版しています(『ロボットと人間 人とは何か』)。
人間は自分たちより賢い汎用人工知能・Artificial General Intelligenceや遺伝子編集を行った改造人間などと協働する時代がポスト・ヒューマニズムと言うことになります。
しかし、私はそうした時代とは、Post-Humanismと名付けて、ただ単に知性の優越性が万物の霊長であるとの考えは捨てる必要があると考えます。
今や、宇宙へ人類や宇宙船が民間レベルで飛び出しています。
宇宙レベルを考えなければならず、まだ、大部分を占めるダークエネルギーやダークマターの世界があり、まだよく判っていない広大な宇宙世界が広がっています。
地球も含まれる宇宙全体の物質エネルギーの内で占める割合は68.3%がダークエネルギーでダークマターが26.8%を占めているのです。
つまり、95%以上がほとんど判っていないのです。
宇宙レベルで考えると太陽系の小さな惑星である地球での知的優越性だけで考えるのではなく、宇宙も含めた万物が良好な状態・WellbeingであるようにPost・HumanismはWellbeing-ismの時代だと思います。
宇宙の真理が万物にWellbeingになるように寄り添うのがWellbeing-ismなのです!!
イズミモリ作
人類が人と人との関係から万物とのふれあいがキーとなります。
自然の無限を知って謙虚になりましょう。
加えて、「万物」には知性がある人工物も加わることも忘れてはいけません。
ブッダの時代より広がった「諸法無我」の世界が待っているのです。
Wellbeing-ismは人類が人工的な遺伝子編集ではないEpigeneticな遺伝子修飾によってWellbeingになる道だと私は考えています。