文化講座
Well-being120(120歳まで幸せに生きる)・・29 自然の生きがい Well-being120-11:私は20年以上前から悪性進行前立腺癌-3
V.E.フランクルはヒットラーによる一瞬先に殺される可能性のあるアウシュヴィッツのような人間として最悪の強制収容所に閉じ込められました。
その経験を記録した『夜と霧』や『それでも人生にイエスと言う』を精神科の専門医であり心理学者として出版しています。
私は自分の運命や人生からの問いにどのように答えるかを学ぶ座右の書としてブッダの本と共に大切にしています。
どのような運命や人生であろうともWell-being Lifeは可能であることがわかります。
オーストリアの精神科医であるV.E.フランクルは私に「私の運命が私に果たす人生の選択の機会に私がどのように答えるか」が私の生きる道だと教えてくれているのです。
フランクルは数ある強制収容所の内でアウシュヴィッツやダッハウに収容されたのですが、運命に答え続けて、いつ殺されるかわからない世界から生還したのです。
そして、フランクルは1945年4月にヒットラーの敗戦によって、最後はダッハウ収容所で死の危険から解放されました。
その翌年の1946年には既に生きる意味と価値について講演を開始したのです。
その3回の講演を中心にした『それでも人生にイエスと言う』(山田邦男、松田美佳訳)が出版されたのです。
さらに、1946年には有名な『夜と霧』(霜山徳爾訳1956年、池田香代子訳2002年)も世に送り出しました。
1991年のアメリカ国会図書館の調査で「私の人生に最も影響を与えた本」のベスト欄に入っている程に国際的にもロングテイリングな書となっています。
我が国で出版されている本は霜山徳爾訳で『夜と霧』となっていますが、ドイツ語的には直訳すれば「或る心理学者の強制収容所体験」となっています。
池田香代子訳の新版も同様に日本で普及している『夜と霧』となっています。
私は霜山が『夜と霧』としたのは何故かと考えました。
日本で広く読まれるには映画やアニメのような『夜と霧』は名和訳だと思います。
強制収容の初期では、闇に紛れて忍び寄る恐怖のヒットラー・ドイツの秘密警察・ゲシュタポがユダヤ人たちを逮捕連行したのは霧の濃い夜だったのです。
アウシュヴィッツ収容所に代表される生きた人間性が完全に否定された地獄の体験を予告する強制収容が秘密にはじめられた恐怖を感じさせるタイトルだと思います。
フランクルは強制収容所で何度も死のグループに分けられましたが、「運命、人生、選択」によって生き延びたのです。
飢餓による完全な栄養失調状態で衛生環境は劣悪の極地で働けなくなれば、即、殺される日常体験をしていたのです。
栄養失調で破れた靴すら履けないほどに足はむくみ、極寒状態でお粗末な衣服だけでも働けないと思われたら殺されたのです。
フランクルはそうした状況での心の持ちよう、どのような人たちが生き延びたかを専門家として私たちに教えています。
劣悪な獄中で紙切れを見つけた時に密かに速記で記録していたのです。
フランクルの「運命・人生・選択」はブッダの「諸行無常 諸法無我 涅槃寂静」に通ずるWell-being Lifeだと思います。
私の天命起臥之道・日常茶飯是道となる心の持ちようになっています。