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Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・10

HbA1c値が国際標準値に変更された

 4月以後、糖尿病検査のHbA1c値がJDS値とNGSP値が併記されていることに気づきましたか。
 この4月1日(2012年)から我が国の日常診療で用いられて来た糖尿病の診断治療に重要なHbA1c値が 日本糖尿病学会(JDS)による検査値(JDS値)を国際標準化するためにNational Glycohemoglobin Standardization Program(NGSP)による国際標準値であるNGSP値に変更されたからです。
 しかし、この1年間(2012年4月1日~2013年3月31日)は移行期間とされて、日常診療の場では当面JDS値が継続使用されます。
 それ故に、新しいNGSP値とJDS値が併記されているのです。
 JDS値からNGSP値に変換するにはおおむね0.4%(0.3~0.5%)を加えれば良いのですが、その換算式は次のようになります。

・JDS値からNGSP値に換算するには
 NGSP値(%)=1.02×JDS値(%)+0.25%
・NGSP値からJDS値に換算するには
 JDS値(%)=0.980×NGSP値(%)-0.245%

 概略としてJDS値からNGSP値へ換算するにはHbA1c値(%)によって次のようです。
 もし、JDS値のHbA1c値が4.9(%)の場合は0.3(%)を加えます。
 JDS値のHbA1c値が5.0~9.9(%)の場合は0.4(%)を加えます。
 JDS値が高く、10~14.9(%)の場合は0.5(%)を加える必要があります。
 また、特定健診や保健指導にあたっては、システム変更による混乱を避けるために、この1年間は受診者や保健者への結果の通知は従来通りのJDS値のみで行われるとのことです。
 こうした事実は、広く使われているHbA1c値一つとっても、日常診療の場で用いられていても、色々問題があるということです。
 JDS値で示されているか、NGSP値で示されているかによって意味が異なることになります。
 例えば、従来のJDS値でHbA1c値を用いながら糖尿病の治療薬をもらったり、食事療法や運動を行っている人達が、突如としてHbA1c値が0.4%上がることになりますから、医師が不勉強の場合は、投与している糖尿病薬の変更や量が変更される危険もありです。
 また、HbA1c値が急に上がって食事コントロール、運動療法や量でシッカリ守るように注意を受ける可能性もなきにしもあらず!

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