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Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・15

長寿遺伝子―1

 私は健康寿命のためには、低グリセミックインデックス(GI)&低グリセミック負荷(GL)食、動植物食材を豊富に食べ、筋力トレーニングのストレストレーニングに加えて、心の糧が豊かでストレスから解放された日常がキーだと思います。
 低GI&低GL食は、前回まで取り上げのAGE(Advanced Glycation End Products、終末糖化産物)産生を抑制して酸化ストレス及び細胞崩壊、増殖による老化や動脈硬化の予防に役立ちます。
 また、低GI&低GL食は血糖上昇を抑制するために低グルコースを誘発して体内は"細胞飢餓"状態となり、長寿遺伝子の7種類の内の一つ・サーチュイン遺伝子1(SIRT1)を活性化出来ると考えられます。
 つまり、空腹ダイエットと言われる30~50%カロリー制限をしなくとも、低GI&低GL食ダイエットにすればSIRT1遺伝子をお腹一杯食べても活性化出来るとなります。
 SIRT1遺伝子はブドウの皮種子、茎や葉に含まれるポリフェノールの一種・レスベラトロールが活性化すると話題です。
 SIRT遺伝子はSIRT1だけではなく、7種類が現在知られており、SIRT1~7ファミリーとも名付けられています。
 他にも、乳幼児期、子供の成長期に重要な蛋白合成を調節して細胞の成長や増殖を進めるmTOR(エムトール)遺伝子があります。
 成人では体内で不要となったり、ガンとも関連するとされる異常な蛋白質も分解、再生利用をしたりする体内調節を活性化する長寿遺伝子です。
 また、AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化する遺伝子が知られています。
 運動によって生体内のエネルギーとなるATPが使われて不足するとAMPK遺伝子が活性化されATPを産生するようになる長寿遺伝子です。
 AMPKは糖質や脂肪の分解を促進して新陳代謝を活発にします。
 筋力トレーニングが大切な理由ですがレスベラトロールも活性化するようです。
 SIRT遺伝子ファミリーは糖代謝、細胞核内のテロメアと呼ぶDNA構造を保って遺伝子構造を安定化して寿命を調節します。
 また、生体内エネルギー産生をするミトコンドリアを安定化したり、細胞自然死と言われるアポト-シスを進めて細胞を消耗したり、除いて、体内の調節をする役割を担っています。
 以上のように長寿遺伝子と言っても、現在少なくとも9種類が知られておりSIRT1を活化する空腹やレスベラトロールだけで長寿が適うほど簡単ではありません。
 最近、"空腹が長寿"に疑問が出されました。
 ヒッグス粒子で有名になった究極の物質・素粒子も17種類があります。
 長寿のための遺伝子も、まだまだ各種発見されて、全体が判らないと総合的な理解はできません。
 空腹やレスベラトロールだけで長寿になれると考えるのはフードファディズム的幻想です。

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