文化講座
Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・16
長寿遺伝子―2
前回は健康寿命に関連する長寿遺伝子として、現在、7種のサーチュイン遺伝子ファミリー(SIRT1~7)、エムトール遺伝子(mTOR)、AMP活性化プロティンキナーゼ(AMPK遺伝子)があると紹介しました。
SIRT1遺伝子を活性化するレスベラトロールを摂取すれば長寿となるほど簡単ではなく複合的な長寿遺伝子ネットがバランスよく活躍することが必要だと判ります。
ガンの免疫療法で期待されては失望させられると同様に複合ネットが重要なのです。
健康寿命は遺伝的要因25%、環境要因75%と言われますように環境要因に大きく影響を受けると言うことです。
私は低GI(グリセミックインデックス)&低GL(グリセミック負荷)食、魚介類を含む肉食&植物栄養素をしっかり食べることが重要だと説いています。
その理由は、炭水化物中の糖質が遺伝子及び環境要因に深く関わるからです。
白米御飯、白パンや砂糖を沢山含むスウィートはGIが高く、高血糖は中性脂肪を上昇させ、SIRT遺伝子不活性化の根源となります。
血糖が上がると糖尿病でなければインスリンが分泌されて2時間以内にグリコーゲンと中性脂肪に変えて正常レベルに低下させます。
中性脂肪の蓄積は肥満、内臓脂肪、脂肪肝などと言われる理由となるのです。
肥満は脂肪が体内に蓄積された結果であることは皆さんも御存知のことと思います。
その蓄積は白色脂肪細胞が行っています。
内臓脂肪、脂肪肝のみならず皮下、筋肉や心臓の周りを囲む心膜などと体内のあらゆる部分に存在して身体を「肥満」にするのです。
コレステロールが動脈血管壁でマクロファージが食べて蓄積される危険が強調されていますが、前述の糖質を主とした食スタイルが高血糖、高中性脂肪となり、その中性脂肪が白色脂肪細胞に蓄積されて肥満となる危険はあまり強調されません。
中性脂肪上昇となると白色脂肪細胞に蓄積されてどんどん肥満となるのです。
白色脂肪細胞の肥大増殖は高脂肪食ではなく高糖質食によって促進されるのです。
多くの人が高糖質では中性脂肪は上昇しないが脂肪を食べると中性脂肪が上がると勘違いしていると思います。
まさに、高GI食による白色脂肪細胞肥大増殖を誘発する食スタイルは体内環境要因と遺伝子要因 を害しているのです。