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Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・6

健康と栄養の生活実感を求めて

 「健康と栄養とは」を心新たにする新年ですが、料理・食事文化と健康・栄養が生活実感と解離していることが問題です。
 日本の食生活は四季折々の農産物や自然の恵みを生かした料理生活を営んできました。
 近年は科学技術の進歩によって、人間が必要とする栄養素が明らかになってきました。
 経口摂取、つまり、口から食べることが出来なくなった人でも、持続的な点滴静脈注射によって何年も生き続けることが可能になっています。
 生命維持に必要な栄養成分は、水、必要なエネルギー源となるブドウ糖などの糖分、生命の構造と機能を営むためのビタミン類、ミネラル類、必須アミノ酸や必須脂肪酸です。
 さらに、フィトケミカル(phytochemical)と名付けられる植物中に包まれる天然の化学物質などが健康増進には課題となります。
 フィトケミカルは「通常の身体機能維持には必要とされないが、健康に良い影響を与えるかもしれない植物由来の化合物を意味する用語であり、植物栄養素(phytonutrient)と呼ばれます(ウィキペディア・Wikipedia)。
 「健康に良い影響を与えるかもしれない」であって、今だ、その有効性が明確にはなっていないことを忘れてはなりません。
 近年の疫学的な調査研究法である長期に渡る栄養介入による前向き無作為試験(prospective randomized study)によって、今までに有効だと考えられている成分の有益性が否定されるだけではなく、逆効果があると報告する論文が少なくありません。
 昨年の例えを挙げれば、ビタミン類やミネラル類について更年期以後の女性が葉酸、鉄剤などの服用が逆効果で寿命を縮めると判り、男性の前立腺癌予防にビタミンEが逆効果だと栄養介入前向き無作為試験によるそれぞれの論文が発表されたのです。
 こうした事実は既存の栄養成分をサプリメントとして摂取した場合には、多くの"健康に良い"との期待は"βカロチンはタバコによる肺癌を増す"の如くに裏切られる可能性は少なくありません。
 ビタミン類やミネラル類以上に今だ有効性が不明確なのはフィトケミカル由来のサプリメントです。
 四季折々の食材を料理した食による栄養補給とサプリメントによる栄養成分補給とは一致しないことは多いのです。
 喫茶、料理や食事スタイルを健康文化とする生活実感がIT化社会にあっても健康で文化的な生活に求められています。

Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー
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