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Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・9

心臓病死亡率と低コレステロール-6

 今回はガン死亡率の増減とコレステロールとの関係を取上げます。
 N.Naganoらの論文の続きで、血中のコレステロール値のグループ別も前回までと同様で以下の如くです。

G1: 160mg/dl未満群
G2: 160mg/dl~200mg/dl未満群
G3: 200mg/dl~240mg/dl未満群
G4: 240mg/dl以上群

ガン死亡率順位とコレステロール値

 順位 1 2 3 4
 男性 G1 G3 G4 G2
 年齢調整後 G1 G3 G4 G2
 女性 G4 G1 G3 G2
 年齢調整後 G1 G4 G3 G2

・男性;ガン死亡の危険とコレステロール

 G1グループ、つまり、血中コレステロール値が160mg/dl未満群でガン死の危険が一番高くなると判ります。
 逆に、一番低くなるのはG2グループ(160mg/dl~200mg/dl未満群)なのです。
 ガン死の危険は、G2グループに比して、G1グループでは1.66倍、G3グループでは1.18倍の増加となります。
 男性では、年齢調整を行っても、ガン死が高くなる危険順位とコレステロール値との関係順位は変わりません。

・女性;ガン死の危険とコレステロール値

 女性ではガン死の危険が一番高いのはG4グループ(240mg/dl以上群)であり、安全なのはG2グループとなっています。
 G4グループはG2グループに対して、1.58倍のガン死の危険が増すことになります。
 二番目の危険が高いG1グループでは1.44倍です。
 しかし、女性では年齢調整を行うとガン死の危険は低コレステロール群のG1グループは高コレステロールグループ群のG4グループとは順位が逆転します。
 G1グループは、G2グループに比して1.50倍の危険性が増します。
 女性では、更年期後では、ほとんどの人たちが高コレステロール群になり、ホルモンバランスが影響する乳癌などが増加するからだと思います。

まとめ

 男性ではガン死の危険性を減らすためには低コレステロールを警戒する。
 女性では高低のコレステロールでガンになる危険が増す。

 以上;コレステロール値と脳卒中、心臓病、ガンでの死亡率と血中のコレステロール値との関係を連載してきました。
 高コレステロールは危険で、低コレステロールは安全との"巷"の"常識"は改める必要があると理解できたと思います。

 皆さんは、口コミ情報は最近のニュースで判ったと思いますが、恣意性の強いヤラセ的情報が少なくありません。
 健康・栄養やサプリメント情報などは恣意性が強い情報が沢山流布しています。
 つまり、ステマ(ステルスマーケティング)といわれる表からは見えない巧みな情報操作が盛んで注意、注意!が肝腎です。

Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー
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