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Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流もう一つの栄養情報・・19

Dr.ビュート流低炭水化物・高~中脂肪・高蛋白質ダイエット法―2

 前回は今日に及ぶ我が国に底流する"炭水化物は善玉、脂肪は悪玉"と言うトラウマについて述べました。
 我が国は675年(天武天皇4年)に天武天皇によって殺生禁断令・肉食禁止令が出されて明治に至るまで殺生・肉食が禁止されていました。
 同じ仏教国でも、中国や朝鮮では禁令を出してはいません。
1300年に及ぶ禁止がロンドンオリンピックで金メダルの数で両国に及ばないパワーやガッツ不足の原因だと思います。

 最近、廣野卓著「卑弥呼は何を食べていたか」(新潮新書、2012年12月20日)が出版されました。
 先土器文化(先縄文化)時代に始まり縄文、弥生から古墳時代移行期の卑弥呼時代の食文化について歴史的な検証を行っています。
 日本列島を囲む暖流と寒流が交叉する海域での豊かな海産物、穀類、堅果類、野の菜(食べられる野草)、蔬菜(栽培野菜)について述べています。
 卑弥呼時代の魏への遣使や朝鮮半島諸国との往来から海産物を中心に鳥獣肉をニンニク・ニラなどの香味野菜で風味づけする和漢折衷の食の姿が取り上げられています。
 奈良県桜井市の卑弥呼時代の纏向マキムク遺跡、卑弥呼の墓説のある箸墓ハシハカ古墳などの出土品から卑弥呼時代の神饌に供された食生活が記述されています。 
 卑弥呼たち巫女は神饌を朝夕2回の神と共食をして同じものを食べていたのです。
 卑弥呼時代はシカ、イノシシ、ウサギ、カモシカ、イヌなどをなます、焼き肉、干し肉などの調理法によって食べており、四足忌避の思想はまだ生まれていません。
 しかし、奈良県吉野町南国栖の今日に伝わる祭神を天武天皇とする浄見原神社の国栖奏神事(起源は応神大王時代とされる)の神饌では鳥獣肉は奉納されなくなっています。
 海産物のワカメ、タイ、カツオ、アワビや川魚のアユは奉げられています。
 神饌は特別な食品を奉納したものではなく古代の人達が日頃食べていた食材を奉納して共食していたのです。


Dr.ビュート流の健康ライフ ー自分流のライフベネフィットー
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