メタボリック症候群（メタボリックシンドローム、代謝症候群）は、動脈硬化や老化を起因とした病気となるから問題になるのだ。
　 心筋梗塞、狭心症、脳梗塞を始めとして、脳の老化、歩くと下肢の痛みを誘発する間欠性歩行障害、下肢の壊死、解離性動脈瘤等の病気も、動脈血管が硬化することによって誘発される病気なのだ。
　 動脈血管の硬化は内臓脂肪蓄積型肥満によって促進されるようになるから要注意なのだ。
　 加えて、高脂血症として、血中の中性脂肪上昇（150㎎ /dl以上）、善玉コレステロールといわれるHDL コレステロール値低下（40㎎/dl以下）、高血圧（最高血圧値が130mmHg以上、最低血圧値85mmHg以上）や糖尿病（空腹時高血糖110㎎ /dl以上）によって、ますます促進されることになってしまう。
　 それ故に、内臓脂肪蓄積型肥満をメタボリック症候群と名付けて、日頃から、肥満と高脂血症、高血圧、糖尿病の予防、治療の重要性が指摘されるようになっているのが現実なのだ。
　 何故に、内臓脂肪蓄積による肥満が皮下脂肪蓄積による肥満より恐ろしいのかとなる。
　 内臓脂肪を蓄積するのは脂肪細胞や組織なのだが、その脂肪細胞が問題となるのだ。
　 食べ過ぎは、人間が利用して消費するに必要以上のエネルギーを摂取することを言う。
　 摂取カロリーから消費カロリーを引いて、プラスになった場合には、内臓脂肪や組織の脂肪細胞に蓄積されてしまうことになる。
　 つまり、過剰に摂取されたカロリー成分の糖質や脂質は、速やかに中性脂肪のトリグリセライドに代謝、変換されて、内臓の脂肪細胞や組織に蓄積されるようになってしまうのだ。
　 それがメタボリック症候群にあっての肥満が起こる原因となっているのだ。
　 内臓脂肪を蓄積する脂肪細胞は、ホルモンの影響による皮下脂肪細胞よりは危険がある。
　 内臓の脂肪細胞はアデイポカイン（adipokines）またはアディポサイトカイン（adipocytokines）と名付けられた内分泌因子となるサイトカインを分泌するからなのだ。
　 つまり、脂肪細胞が内分泌細胞として分泌する成分が色々悪さをすることになるからだ。