文化講座
Dr.ビュート流のダイエット法・・12
グリセミック指数&負荷とHDLコレステロール(善玉コレステロール)
今回もK.Murakamiらの論文からの紹介です。
グリセミック指数およびグリセミック負荷が高くなるような炭水化物食材を食べた場合、善玉コレステロールと言われるHDLコレステロール(HDL・コレ)の血中増減に与える影響を検討します。
グリセミック指数が高い食事はHDL・コレ値を下げる傾向にはあるも、あまり強い影響はないが、グリセミック負荷が高い食事はHDL・コレを低下させると判ります。
つまり、炭水化物を沢山食べる人達では、血中善玉コレステロール値は低下するのです。
グリセミック指数 | 血中HDL・コレ(mg/dl) | |
---|---|---|
1 | 61(46.1‐63.4) | 64.7±0.9 |
2 | 65(63.5‐65.9) | 62.5±0.9 |
3 | 67(66.0‐67.9) | 63.0±0.9 |
4 | 69(68.0‐70.0) | 63.8±0.9 |
5 | 72(70.1‐76.5) | 63.6±1.0 |
グリセミック指数と血中HDLコレステロール(HDL・コレ)(表1)
グループ1-5にかけてHDL・コレ値はグリセミック指数が上昇してもあまり強い影響を受けてはいません。
グループ1ではグリセミック指数が61で、HDL・コレは64.7であり、グループ5では、グリセミック指数が72で、HDL・コレは63.6です。
グリセミック指数上昇に伴いHDL・コレ値は低下傾向にはあるようですが、僅かと言えます。
グリセミック負荷 | 血中HDL・コレ(㎎/dl) | |
---|---|---|
1 | 69(31.1‐75.7) | 67.2±1.3 |
2 | 80(75.8‐83.7) | 65.5±1.0 |
3 | 87(83.8‐1.2) | 62.1±0.9 |
4 | 95(91.3‐100.2) | 61.9±1.0 |
5 | 107(100.3‐148.5) | 60.8±1.4 |
グリセミック負荷と血中HDLコレステロール(HDL・コレ)(表2)
グループ1(グリセミック負荷69)ではHDL・コレは67.2±1.3で、グループ5(グリセミック負荷107)ではHDL・コレは60.8と低下しており、その傾向はグループ1からグリセミック負荷が上昇するに伴ってHDL・コレは低下していると判ります。
つまり、HDL・コレはグリセミック負荷が高くなると低下するのです。
以上より、高い方が良いと言われる善玉コレステロールHDLコレステロール(HDL・コレ)は、グリセミック負荷、つまり、炭水化物が多い食事を食べると下がることになるのです。
前回取り上げたグリセミック負荷が高い食事では上昇が望ましくない中性脂肪は上げ、善玉コレステロールは低くするとなります。
つまり、グリセミック負荷の高い食生活は動脈硬化促進因子となるのです。