文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その23
肥満と痩せの危険性・・15
-呼吸器系疾患死-
今回も、T.Pischonからの続きです。
呼吸器系疾患による死亡リスクとBMI(Body Mass Index, 体格指数)との関係を取り上げます。
表のデータは、前回同様に、BMI23.5<25での死亡リスクを1.00とした相対的死亡リスクを示します。
つまり、肺炎などによる呼吸器系疾患による死亡リスクと痩せおよび肥満との関係を示します。
BMIと呼吸器系疾患死の相対リスクの増減 | ||||
BMI | 男 | 女 | ||
痩せ | <18.5 | 6.53 | 4.74 | |
正常 | 18.5 to<21.0 21.0 to<23.5 23.5 to<25 |
2.29 1.21 1.00 |
1.70 1.29 1.00 |
|
過体重 (チョイ肥満) |
25.0 to<26.5 26.5 to<28.0 28.0 to<30.0 |
0.66 0.74 0.74 |
0.64 1.29 0.83 |
|
肥満 | 30 to<35 ≧35 |
0.90 1.65 |
1.18 1.57 |
・男性:呼吸器系疾患による死亡の危険は痩せ基準のBMI<18.5で6.53、つまり、BMI23.5to<25に比して、6.5倍も死亡する危険が増すことになるのです。
正常BMIの範囲と言われるBMI18.5to<21.0でも2.3倍ほど死亡が増しています。
一方で、チョイ肥満たる過体重のBMI25.0to<30.0の範囲では、0.66,0.74,0.74といずれも正常BMIより呼吸器系疾患による死亡危険は明らかに減少していると判ります。
肥満では、超肥満たるBMI≧35.0 になると1.65と増すことになります。
・女性:男性と同様に痩せBMI<18.5以下で4.74と5倍ぐらいの死亡の危険が増すことになります。
正常BMIにあっても、BMI18.5to<23.5では死亡の危険は高い傾向にあります。
チョイ肥満の過体重では、BMI25.0to<26.5で死亡の危険性は0.64と低下しています。
女性にあってもチョイ肥満で呼吸器系疾患死の危険は低下傾向にあると言えます。
肥満BMIでは、超肥満BMI≧35.0で、男性同様に増加傾向にあります。
以上、男女ともに正常範囲のBMIも含めて痩せ傾向が強くなれば呼吸器系疾患による死亡の危険は増す。
また、超肥満BMI≧35.0で危険性は増す。
逆に、呼吸器系疾患による死亡の危険はチョイ肥満の過体重BMIで減少するとなります。
イタリア、スペインでは痩せのBMI<18.0で肺炎や拒食症による死亡の危険が増すために、ファッションモデルとして採用しない理由となり、フランスで痩せを先導する危険とする理由です。
我が国では、ファッション界が相変わらず痩せ思考が強いのは問題だと言えます。