文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その24
肥満と痩せの危険性・・16
-その他の疾患死-
T.Pischonの論文からの続きです
今回は、既に取り上げた悪性腫瘍、心臓や脳などの血管系疾患、呼吸器系疾患による死亡を除いたその他の疾患死について述べます。
自殺・事故死、拒食症などによる異栄養症や糖尿病などによる死亡が問題となります。
そうしたその他の疾患死とBMI(Body Mass Index,体格指数)による痩せおよび肥満との関係を示します。
BMIとその他の疾患死の相対リスクの増減 | ||||
BMI | 男 | 女 | ||
痩せ | <18.5 | 4.67 | 2.97 | |
正常 | 18.5 to<21.0 21.0 to<23.5 23.5 to<25 |
2.02 1.30 1.00 |
1.43 1.11 1.00 |
|
過体重 (チョイ肥満) |
25.0 to<26.5 26.5 to<28.0 28.0 to<30.0 |
0.99 0.94 1.12 |
1.02 1.13 0.95 |
|
肥満 | 30 to<35 ≧35 |
1.26 2.15 |
1.35 1.79 |
男性:痩せBMI<18.5では4.67倍も死亡の危険性が高まることを示し、正常域BMIでもBMI18.5to23.5では1.30~2.02倍と死の危険性は上昇することを示しています。
しかし、過体重のチョイ肥満BMI 25to<28.0までは逆に死の危険性は減少しています。
BMI30以上のBMIでは再び死の危険性は上昇しており、超肥満BMI≧35では2.15倍となります。
女性:男性と同様に痩せBMI<18.5では、2.97倍と死の危険性は増します。
正常BMIにあっても,BMI18.5to<23.5では上昇レベルにあると判ります。
一方、女性ではチョイ肥満の過体重の内で高い領域のBMI28.0to<30.0で0.95と死の危険は低下傾向にあります。
肥満BMI30以上になると再び死亡の危険は増すと判ります。
以上より、男性では痩せが著しく死の危険性を増すと判ります。
女性では既に取り上げた呼吸器疾患死に次いで痩せが高い死亡の危険性が増すのです。
男性ではチョイ肥満BMIで死の危険性は低いレベルとなります。
肥満では男性では超肥満BMI≧35は危険であり、女性ではBMI30以上は増加傾向になります。
男女ともに痩せBMI<18.5と肥満BMI<30は要注意であり、過体重は死の危険性は低い。