文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その25
肥満と痩せの危険性・・17
―喫煙死とBMI・・男―
T.Pischonの論文から続けて取り上げます。
タバコ、喫煙とBMI(Body Mass Index)と関連した死亡危険の増減を検討します。
今回は、男性を取り上げます。
非喫煙(Never Smoked)、喫煙歴有り(Fomer Smoker)、喫煙者(Current Smoker)とBMIによる死亡危険性の増減をBMI 23.5to<25.0を1.00としてBMIとの相対的喫煙リスクの増減を示します。
BMIと喫煙死の相対リスクの増減―男性 | ||||
BMI | 非喫煙 | 喫煙歴有り | 喫煙者 | |
痩せ | <18.5 | 1.19 | 2.18 | 2.75 |
正常 | 18.5 to<21.0 21.0 to<23.5 23.5 to<25 |
1.25 0.97 1.00 |
1.69 1.05 1.00 |
1.39 1.03 1.00 |
過体重 (チョイ肥満) |
25.0 to<26.5 26.5 to<28.0 28.0 to<30.0 |
0.89 1.05 1.21 |
0.95 1.01 1.16 |
0.86 0.91 0.99 |
肥満 | 30 to<35 ≧35 |
1.48 2.78 |
1.39 2.10 |
1.11 1.66 |
・痩せBMI<18.5
喫煙者死リスクは2.75倍で非喫煙者のリスクは1.19倍であり、喫煙者は喫煙歴がある人達(2.18倍)ともども痩せグループでは喫煙者グループで死亡の危険性が増すと判ります。
・正常BMI 18.5to<25
正常範囲のBMIグループの内、18.5to<21.0の低値グループでは喫煙者や喫煙歴者では死亡危険性は高い傾向にありますが、BMI 21.0to<25ではあまり死亡の危険性には差が無いと言えます。
・過体重(チョイ肥満)BMI 25.0to<30.0
過体重(チョイ肥満)の内で、最も低いBMI領域25.0to<26.5では、喫煙の有無にかかわらず、死亡の危険は低くなります。
また、喫煙によって死亡リスクが上昇するとも言えないようです。
むしろ、過体重領域では喫煙者で死亡リスクは低下する傾向にあると言えそうです。
・肥満BMI>30
肥満BMIになると非喫煙者の方が喫煙者に比して死亡リスクが増加する傾向にあると判ります。
BMI≧35では、非喫煙者のリスクが2.78倍に対して、喫煙者では1.66倍と喫煙者で低くなっています。
以上より、痩せBMIでは喫煙者や喫煙歴のある人達で死亡の危険は増す。
過体重(チョイ肥満)BMIでは喫煙者で死亡の危険性は低い傾向にあるようです。
肥満BMIでは喫煙者より、非喫煙者で死亡の危険が増す。
つまり、痩せの人では非喫煙者で、肥満の人では喫煙者が死亡の危険性が減るとなります。