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健康ライフのためのサプリメント&代替医療

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

Dr.ビュート流のダイエット法・・5

Dr.ビュート流のダイエット法はロバート・C・アトキンスの「アトキンス式低炭水化物」が基本ですが、低炭水化物についてはアトキンス式ほどに厳しくありません。
アトキンス式は低炭水化物・高脂肪食・カロリー制限無しで従来の常識を覆すようなダイエット法だった為にアトキンスは「Diet Revolution,ダイエット革命」と言い、学術的評価には耐えないと批判も強かったのです。
しかし、アトキンスが死後の研究結果として、他の国際的に知られるようなダイエット法と比較した1年間、2年間に渡る前向き無作為試験が国際的評価の高い専門誌に発表されたのです。
つまり、日本では行うことが出来ないような恣意性が低い前向き無作為試験が行われ、いずれの試験での結果もアトキンス式ダイエット法が優れていたのです。
単に体重減少や心臓病の危険因子低下のみならず、血中HDLコレステロール値の増加や中性脂肪値の低下、血圧低下、血糖値も低下する結果となりました。
また、血管の動脈硬化性変化の起こり易さを表わすと考えられている血液検査値の結果でも、次のように優れていたのです。
高値がよいとされるアディポネクチ値は上昇させ、低い方がよいとされる高感度CRP、ホモシスチンでも低下に効果的だったのです。
また、糖尿病では血糖値低下、血中インスリン価やインスリン抵抗性の改善にも良い結果でした。
それ故に、糖尿病の食事指導が欧米では低炭水化物でカロリー制限無しとなり、我が国でも日本経済新聞が糖尿病食として健康ページに紹介しました。
前向き無作為試験を報告した論文は次のようです。

1.M.L.Dansinger 他,Comparison of the Atkins,Ornish, Weight Watcheres,and Zone Diets for Weight Loss and Heart Disease Risk Reduction,A Randamized Trial,JAMA, 293,43-53,2005

2.C.D.Gardner 他,Comparison of the Atkins, Zone,Ornish,and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Over Weight Premenopausal Women,The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial,JAMA 297,969-977,2007

3.R.D.Iris Shai他,Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean,or Low-Fat Diet,N.Engl.J.Med.,359,229-241,2008

1の論文では22~72歳の高血圧、脂質代謝異常、高血糖などのBMI(体格指数)平均35の男女アメリカ人対象に一年以上の結果です。
2の論文は肥満の更年期前の女性の一年間に渡るアメリカ人対象の研究です。
3の論文は平均年齢52歳、平均BMI 31の男性が86%を占めるヨーロッパ人を対象に二年間に及ぶ結果です。
3の論文では地中海ダイエット法の検討も行われていますが、低炭水化物によるアトキンス法に続く良い結果でした。
一番成績が良くなかったのは低脂肪ダイエット法でした。
いずれの論文もインターネット上でPubMedから無料でダウンロード出来ますから一読下さい。

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