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健康ライフのためのサプリメント&代替医療

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その14

肥満と痩せの危険性・・6

今回も、前回取り上げましたK.M.Flegalらによる2007年の論文からの紹介で続けます。
論文中の図1より、BMI(Body Mass Index,体格指数)と年令グループ別に心血管死、ガン死、感染症などその他の疾患死の危険性の増減比較を取り上げ、概略を示します。
正常BMI18.5<25での死の危険性を1として、それぞれのBMIでの死の危険性を示す数値が1以下であれば死の危険性の減少を、数値が1以上であれば危険性の増加を意味します。

BMIと年齢グループ別による死亡危険の増減
●心血管死
BMI 25~59才 60~69才 ≧70才
<18.5 0.2 0.9 1.9
18.5<25 1.0 1.0 1.0
25<30 0.8 1.1 0.9
30<35 1.6 1.5 1.2
≧35 2.3 2.1 1.3
●ガン死
BMI 25~59才 60~69才 ≧70才
<18.5 1.0 2.1 1.2
18.5<25 1.0 1.0 1.0
25<30 1.0 0.8 0.9
30<35 0.9 1.2 1.2
≧35 1.2 1.5 1.1
●その他の死
BMI 25~59才 60~69才 ≧70才
<18.5 2.5 5.0 2.5
18.5<25 1.0 1.0 1.0
25<30 0.4 0.9 0.8
30<35 0.8 0.8 0.8
≧35 1.8 1.9 1.1

●心血管死
BMI>30になるといずれの年令グループにあっても死亡の危険は増加する。
痩せ基準のBMI18.5未満では69才までの年令では低下するも、70才以上となると2倍程死の危険性が増す。
チョイ肥満のBMI25<30で低下傾向になる。

●ガン死
ガン死では、痩せのBMI<18.5の69才までの人達では明らかに増加する。
チョイ肥満のBMI25<30では、ガン死の危険は低下傾向となるも、超肥満のBMI≧35となれば、いずれの年令グループでもガン死の危険性は増す。

●感染症などのその他の死
痩せのBMI<18.5では、すべての年令グループで、死の危険が2倍以上の顕著な増加をする。
超肥満のBMI≧35にあっても、死の危険性は増加となる。
しかし、チョイ肥満から肥満のBMI25<30、30<35では、死の危険性は低下する。
以上より、心血管死では、いずれの年令であれ、BMIが>30で死の危険性を増し、逆にBMI<30以下で低下傾向。
但し、70才以上、BMI<18.5は危険。
つまり、高齢者の痩せは心血管死の危険が増す。
ガン死とその他の死因では、いずれの年令グループであっても、痩せのBMI<18.5、超肥満のBMI≧35で死の危険は増す。
痩せでの危険は肺炎などの感染症、拒食・過食、自殺・事故などが死因となるのです。
しかし、心血管死、ガン死、その他の死因のいずれであれ、チョイ肥満のBMI25<30で死の危険性は低くなると理解できると思います。
つまり、チョイ肥満が一番の長生きの可能性が高いのです。

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