文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その17
肥満と痩せの危険性・・9
今回も、K.M.Flegalの2007年の論文からの続きとします。
論文中の図3では、癌や心臓、脳などの動脈血管系疾患による以外の疾患による体格指数(BMI、Body Mass Index)と関係しての死亡者数の増減を取り上げています。
今回はBMIと関連する急性呼吸器疾患と感染症および慢性呼吸器疾患による死亡者の増減を示します。
肺炎などによる呼吸器疾患による死亡者数は痩せ基準のBMI 18.5以下で増加する傾向にあることが判ります。
結果を示す表の数値は前回同様にBMI 18.5 to<25での死亡者数を基準(0値で示す)として、それぞれのBMIと関連しての死亡者数の増減する死者数(千人単位)で示してあります。
プラスは、死亡者数の増加を、マイナス数値は減少を意味します。
表 BMIと呼吸器疾患死の増減 |
|||
BMI | 過剰死者数(千人) | ||
・慢性呼吸器疾患死 | |||
<18.5 | 15 | ||
18.5to<25 | 0 | ||
25to<30 | -31 | ||
≧30 | -7 | ||
・急性呼吸器疾患および感染症死 | |||
<18.5 | 8 | ||
18.5to<25 | 0 | ||
25to<30 | -9 | ||
≧30 | -3 |
・慢性呼吸器疾患死
痩せ基準のBMI<18.5以下で死者数は増加傾向が明らかですが、逆に、BMI 25 to<30のチョイ肥満では著しい低下となると判ります。
・急性呼吸器疾患および感染症死
慢性呼吸器疾患死ほど明らかではありませんが、痩せ基準のBMI<18.5以下で死者数は増加となり、チョイ肥満で低下する傾向にあることを示しています。
以上より、呼吸器疾患や感染症死は痩せで増加し、チョイ肥満で最も低下するとなります。
こうした事実は西欧のスペイン、イタリアやフランスで痩せのモデル採用や痩せの扇動を禁ずる理由となっているのです。
長生きしたい人はチョイ肥満が一番!!