文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その22
肥満と痩せの危険性・・14
今回も、T.Pischonからの紹介です。
心臓血管系疾患による死亡リスクとBMI(Body Mass Index,体格指数)との関係を検討します。
表のデータは、前回同様に、BMI23.5to<25での死亡リスクを1.00とした相対的死亡リスクを示します。
つまり、心筋梗塞などの心血管系疾患による死亡リスクと痩せや肥満との死亡リスクとの関係を示すのです。
BMIと心血管系疾患死の相対リスクの増減 | ||||
BMI | 男 | 女 | ||
痩せ | <18.5 | 1.84 | 1.09 | |
正常 | 18.5 to<21.0 21.0 to<23.5 23.5 to<25 |
1.05 0.97 1.00 |
1.10 1.01 1.00 |
|
過体重 | 25.0 to<26.5 26.5 to<28.0 28.0 to<30.0 |
0.95 1.01 1.28 |
1.13 1.15 1.24 |
|
肥満 | 30 to<35 ≧35 |
1.62 2.70 |
1.31 2.27 |
男性:心血管系疾患死の相対的危険の増減死亡の危険が増すBMIは痩せBMI<18.5の1.84と肥満BMI 30以上だと判ります。取り分け、超肥満BMI≧35では2.70と高い死亡の危険性があります。
逆に、死亡の危険が低下するBMIは次のようになります。
正常BMI21.0to<23.5で0.97、過体重BMI25.0to<26.5で0.95となり、低下すると判ります。
最も心血管系疾患死の危険が低下するのはチョイ肥満の過体重BMI25.0to<26.5だと言うことです。
前回の癌死危険性と同様にチョイ肥満が男性にとってはよいことを示すものです。
女性:心血管系疾患死の相対的危険の増減
女性の場合は、心血管系疾患死の危険は正常BMI23.5to<25で一番低くなり、他のBMIでは増加傾向にあります。
著しく死亡の危険性が増すのは、超肥満BMI≧35で2.27となります。
以上より、心血管系疾患での相対的死亡の増減は次のようです。
男性にとっては、BMIは21.0to<26.5で死の危険は減ることになる。
逆に、増加するのは肥満BMI30以上と痩せBMI<18.5となります。
つまり、痩せと肥満が危険で、チョイ肥満BMIで安全性は増すとなります。
女性では、BMIが痩せからチョイ肥満の過体重では心血管系疾患による死の危険の増減は、あまり、変わりはないと判ります。
しかし、超肥満BMI≧35以上は要注意となります。