文化講座
Dr.ビュート流のダイエット法・・15
グリセミック指数&負荷とHbA1c(ヘモグロビンA1c)
K.Murakamiらの論文からの続きです。
今回は炭水化物を多く含む食材が糖尿病と深い関係にあるヘモグロビンの糖化%(HbA1c%)との関係を検討します。
糖尿病の人達が食事や運動の指導や治療を受けると血糖値と共にHbA1cの値について説明を受けることになります。
血糖値については検査の前日などに沢山食べたり、食後の時間によって検査値は影響されますから、受診日前の数日間の摂生によって血糖値は下げられますが、HbA1cは1ヶ月以上の注意をしなければ下げることが出来ない検査値です。
グリセミック指数およびグリセミック負荷とHbA1cとの関係は以下の如くでした。
グリセミック指数 | HbA1c(%) | |
---|---|---|
1 | 61(46.1-63.4) | 5.0±0.1 |
2 | 65(63.5-65.6) | 5.1±0.1 |
3 | 67(66.0-67.8) | 5.1±0.1 |
4 | 69(68.0-70.0) | 5.2±0.1 |
5 | 72(70.1-76.5) | 5.2±0.1 |
グリセミック指数とHbA1c(表1)
HbA1cが5.8%以下の場合は正常値と言われて糖尿病ではないと想定されます。
つまり、正常の人達を対照としたグリセミック指数とHbA1cを検討した結果なのです。
グループ1のグリセミック指数が61ではHbA1cは50、グループ2-3のグリセミック指数が65,67では5.1と上昇傾向にあり、グループ4-5のグリセミック指数が69、72となりますとHbA1cは5.2となると判ります。
つまり、グリセミック指数が上がるとHbA1cは上昇傾向になるのです。
グリセミック負荷 | HbA1c(%) | |
---|---|---|
1 | 69(31.1-75.7) | 5.0±0.1 |
2 | 80(75.8-83.7) | 5.1±0.1 |
3 | 87(83.8-91.2) | 5.1±0.1 |
4 | 95(91.3-100.2) | 5.1±0.1 |
5 | 107(100.3-148.5) | 5.2±0.1 |
グリセミック負荷とHbA1c(表2)
グリセミック負荷とHbA1cとの関係もグリセミック負荷が高くなれば、HbA1cは上昇傾向にあると判ります。
つまり、炭水化物を食べる量が多くなるとHbA1cは上昇するとの意味です。
既に取り上げましたように、グリセミック指数の高い白米、米せんべいや白パン、パンケーキなどは糖尿病にとって、炭水化物の摂取が多くなるグリセミック負荷と同様に糖尿病誘発の危険があるとなります。
炭水化物摂取については、質的にも量的にも注意しなければならない!!