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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

幸せになる健康栄養食を食べるには-エピジェネティック(遺伝子調節)茶の湯・Epigenetic Way of Tea・・12 日常茶飯のリアルand/orバーチャル茶の湯-10

 「いつも新鮮な気持ちで変化していく」と述べたのは、Z世代のブルース・リウです。
 彼は昨年行われた第18回ショパン国際ピアノコンクールでは予選からすべて1位で通過して優勝した24歳のカナダ人ピアニスト。
 まさに、常に創造性、想像性を失わない今日のような激変する時代に価値創造を目指すZ世代の姿勢だと思います。
 アップサイクルやアップデートを続けて「増価蓄積」を求めるZ世代の考え方です。
 従来の「減価償却」文化ではないのです。

 昨年の12月8日にドイツの首相として16年の任期を終え、退任したアンゲラ・メルケルは、私が現在最も尊敬する政治家です。
 今、毎夜私が寝る前に読む本はメルケルさんの『わたしの信仰 キリスト者として行動する』です。
 プロテスタント、物理学者であり、政治家に転じて自由主義の守護者としての人間味ある生き方と行動を学ぶことができます。
 鷲田清一「折々のことば」(朝日新聞'21年12月3日)にメルケルさんの「謙虚とは無気力のイイではなく、無限を知ったことから生まれるポジティブで、希望にアフれて生を形成する感覚です」が取り上げられました。
 前述の本『わたしの信仰』の「奇跡を求めない」で述べられている講演の一文です。
 2001年に行われたその講演では、遺伝子工学と生じる倫理的問題について述べています。
 「生命の始まりと終わり」について考え、「遺伝子工学の限界」について「他者の人生に介入するところに生ずる」ことは「許されない」としています。

 今や、遺伝子編集によって人類の遺伝子は簡単に操作が可能となり、人類の智を越えようとしているAI・人工知能によって人間がホモ・サピエンスとして、万物の霊長である立場を捨てなければならなくなっています。

 そうした時代に、Z世代のピアニストであるブルース・リウの姿勢は「謙虚」で「無限を知ったことから生まれるポジティブ」で「希望に溢れている生」を大切にして追求していることがわかります。
 若き登竜門のショパンコンクールをオール1位で通過して優勝したピアニスト・リウさんでさえ将来はピアニストだけを目指しているのではないと語っていました。
 Z世代は初期設定をするデフォルト志向を持っており、常にアップサイクルやアップデートを思考するのです。

 今や、AI・人工知能が生み出す「文明・文化」を考えなければならない時代なのです。
 私は一碗の茶を飲みながら、リウさんの奏でるピアノの音色に耳を傾け、メルケルさんのおだやかな語りに感じ入りながら自分の瞑想に入ることが出来ます。
 まさに、リアル茶の湯であり、エピジェネティック茶の湯の喜びです。
 メタバースは複合現実・Mixed Realityや3Dアバターの世界を開いています。
 リアルとバーチャルの境界が乗り越えられそうな時代となっています。
 エピジェネティックな遺伝子調節によって、私はMixed Realityの世界でもウェルビーイング・Wellbeingになりたいのです。
 私も常にデフォルトになってアップデートやアップサイクルとを続けてエピジェネティックな遺伝子調節によってWellbeingのアップデートを続けたいのです。
 私はアップデートクレイジーなのです。

頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド
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