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頤医の「かて食」&「かて茶」ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

幸せになる健康栄養食を食べるには-ニュートリゲノミクス(分子栄養学)テーラーメイド栄養学とニュートリゲノミクス・・7

 肥満とテーラーメイド栄養学の基本となるエピジェネティクスについて取り上げてきました。
 エピジェネティクスは遺伝子DNAの塩基配列が変わらないことに特色があります。
 近年は全遺伝子情報(ゲノム)の解析が容易になったために一人ひとりが生まれつき持っているゲノムの特色や異常についての研究が盛んに行えるようになりました。
 そして、エピジェネティクスでは、生活習慣によってその調節スウィッチが変えられるかどうかが問題なのです。
 例えば、一人ひとりがどのような運動や食事内容によって生活習慣病の発病を抑えられるかです。
 我が国では例えば、大阪大学のグループが国の内外の約70万人分のゲノム解析を行っています。
 また、理化学研究所(理研)のグループは約17万人分の解析を行いました。
 私たちの関心は生活習慣病やガンなどが「遺伝的要因」「外的要因」がどのように関係するかです。
 生活習慣病で言えば、肥満、動脈硬化、高血圧、心臓病、脳卒中や糖尿病での遺伝情報と生活習慣との関連です。
 つまりは、「生活習慣病の発症原因」となる「遺伝子情報」や「調節遺伝子」が果たしている役割です。
 発症原因と関係する遺伝子である「関連遺伝子」がどのようになっているかが次第に明らかになっています。
 生活習慣病の発症を起こり難くする抑制・制御しようとする遺伝子情報・ゲノムも研究されているのです。
 生活習慣病の発症に積極的に関連する遺伝子とは逆に発症を制御しようとする遺伝子の異常がないかということです。
 発症原因となる遺伝子と抑制しようとする遺伝子が相まって生活習慣病となるからです。
 生活習慣病を発症させる遺伝子には発病に関連しているDNA遺伝子異常と、ここで注目されているDNA配列では変わっていないが生活習慣病発症を調節しているエピジェネティクスと深い関係があると言うことです。
 それ故に、遺伝子異常だけでなく、遺伝子調節によって発症を抑制したり、逆に発症させようとする調節機能が働いているからです。
 現状で皆さんに知っておいてほしいのは、生まれつき持つゲノムでエピジェネティクスで調節スウィッチが都合の悪い調節となっている場合は発病し易くなる生活習慣に気を付けることが重要になります。
 しかし、皆が予防に取り組むべき方法はエピジェネティクスの状態次第で一人ひとりによって違うと言うことになります。
 例えば、ビーガン・Veganやベジタリアン・Vegetarianが自分のエピジェネティクスに都合が良い影響があるかに注目していましょう。
 早く自分の全遺伝子情報(ゲノム)を知ることが出来る状況、体制にして欲しい!!

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