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料理研究歴50年・「伊藤華づ枝の しみじみ おいしいレシピ集」

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第27回:「米」について学びます

前シリーズでは、「世界の長寿食」というテーマで、世界各地の人々は健康を維持するために何を食べてきたのかという背景を探りつつ、それらの料理を日本でも手に入る食材を使ったレシピで紹介したり、含まれる栄養素の効能についてもお伝えしてまいりました。
今シリーズでは、料理研究歴50年が経過した筆者が旬の食材を中心に取り上げ、家庭で作れる基礎レシピだけでなく、日本で食べられている世界各地のおいしい料理やデザートなどもご紹介しております。それぞれの食材が持つ栄養素や美しい盛り付けのコツ・食材にまつわる「おもしろ話」・食事マナーなどについてもご紹介しております。

第27回目のテーマは、「米」

食事をすることを、私たちは一般的に「ご飯を食べる」と言い、まさに米を食べることが食事であると認識されています。米は季節の食材との相性も良く、世界各地で食べられています。そしてまた、日本では新米が出回る季節にもなりました。食欲の秋には、さまざまに調理して楽しんで頂きたいものです。

米を使った料理のご紹介

*このページ内の料理写真は、すべて伊藤華づ枝が作成・撮影したものです


焼サバ寿司


栗ご飯


イカ飯


とうもろこしご飯


アワビご飯


かにみそご飯


ごぼうとしらす干しの炊き込みご飯


贅沢チラシ寿司


かやくいなり寿司


握り寿司


とびことアボカドのカリフォルニアロール


蒸し寿司


カニの押し寿司


海鮮丼


ソースカツ丼


エビとマッシュルームのドリア
(ライスグラタン)


ゆで卵と鶏肉のドリア


レモンのリゾット


アサリとアスパラのリゾット


ポルチーニ茸とチーズのリゾット


たっぷり野菜とエビと栗のピラフ


根菜カレー・雑穀米で


ハヤシライス


ステーキライス


タコライス


炊き込みチキンライス弁当

 

代表的なレシピをご紹介します

土鍋で炊く梅おかかご飯

土鍋で炊く梅おかかご飯

材料 4~6人分
  米 3カップ(600ml分)
かつお出汁 4カップ(800ml)
しらす干し 1パック(200g)
梅干し 2コ
おかか(花かつお) 適量(多め)
青じその葉 10枚

作り方

  1. 洗った米を分量のかつお出汁で浸水しておきます。(できれば30分~1晩以上)
  2. 炊く直前にしらす干しとちぎった梅を半量のせて火にかけ、最初は中火で2分程炊きます。
  3. 2.を強火にかけ、6分程炊きます。(約5~6分でふきあがってきます)
  4. 3.がふきあがってきたら、中弱火にして4~5分間炊きます。
  5. 炊き上がったら10分程蒸らし、おかかを加えてさっくりと混ぜて器に盛り、せん切りにした青じそと2.で残しておいた梅を散らします。

※最初に火にかけてから約12~14分で炊きあがります
※コツは「初めはチョロチョロ、中はパッパ、赤ちゃん泣いてもフタ取るな」です。ガス炊飯器・電気炊飯器では火力調整は必要ありません。

黒酢あんかけ炒飯・エビ乗せ

黒酢あんかけ炒飯・エビ乗せ
※写真には青味を添えました

材料 4人分
長ねぎ 1本
干ししいたけ(水で戻す・粗みじん切り) 4枚
ロースハム 10枚(60g)
赤パプリカ 2/3コ
  卵 4コ
塩 少々
油 大さじ2~3
ご飯 800g
A 塩 小さじ1・1/2~2弱
しょうゆ 少々
かけ餡
むきエビ 16尾
B 鶏ガラスープ 500ml
砂糖 大さじ1/2
黒酢 大さじ1
たまり醤油(または醤油) 大さじ1
塩 小さじ2/3
こしょう 少々
  片栗粉 大さじ2
水 大さじ2

作り方

  1. 長ねぎは小口切り、干ししいたけは粗みじん切り、ハムと赤パプリカは小角切りにします。
  2. 割りほぐした卵に塩を加え、フライパンに油を熱して卵を炒り、取り出しておきます。
  3. 2.のフライパンに油を足して1.を炒め、ご飯を入れ、パラパラになったら2.の卵を戻し入れて炒めます。
  4. 3.を(A)で調味します。
  5. エビは酒と塩(分量外)でもみ洗いし、洗い流してから茹でます。
  6. 鍋に(B)を煮立て、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
  7. 4.を器に盛り6.をかけ、5.のエビをのせます。

米にまつわるおもしろ話

  • 日本では、主食である米(ご飯)があまりにも重要だったため、「ご飯を食べる」が「食事をする」という意味そのものになりました。
  • 「米」という漢字は、「八・十・八」という数字からできています。
    これは、米を収穫するまでに「八十八回」もの手間や農作業をかける必要があることに由来するという説があります。確かに土作り、種まき、苗作り、代かき、田植えなどの手間は相当量の仕事です。膨大な手間と150~180日もの期間がかかって出来上がるものですから、主食として大切にしたい食材ですね。
  • 毎年安定した収穫が得られ、長期間保存できること、米は日本人が食べる食材との相性が良かったことなどが主食になった理由だと考えられます。
  • 大人用の小ぶりな茶碗1杯の米粒は、約2300~2500粒もあるようです。
  • おにぎりを三角形に握るようになった理由には、主に神話的な説と持ち運びの利便性という以下の大きな理由があります。
    1. 神話的な説は、神の力を授かるためです。三角形は山の形を意味し、険しい山には神さま(山の神)が宿ると信じられていたからです(山岳信仰・自然崇拝)。
    2. 食べやすく持ちやすいという説です。
      • 江戸時代にお弁当として普及する中で、四角い弁当箱に詰める際、三角形は互い違いに組み合わせることで、隙間なくきれいに収まります。
      • 人の口の大きさに合わせて、尖った角から無理なく食べ進められます。
      • 三角形は三方向から均等に力が加わるため、丸型に比べて形くずれしにくい構造を持っているからです。

米に含まれる栄養素と期待される健康効果

  • 主成分は体や脳のエネルギーとなる炭水化物(糖質)ですが、良質のたんぱく質も含みます。
  • 米には約6%のたんぱく質が含まれており、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
  • 大豆製品(納豆や豆腐・みそなど)と一緒に食べると、足りないアミノ酸を補い合って栄養価がさらに高まることが知られています。
  • 米は脂質が少ない食品であるものの、体内で合成できないために食事から摂取する必要がある必須脂肪酸のリノール酸を含む特徴があります。
  • 味覚を正常に保つ亜鉛、鉄分、マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB群が含まれています。
  • 特にビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える際に欠かせない栄養素です。
  • 米(ご飯)に含まれる炭水化物は、難消化性でんぷんで消化されにくいことが知られています。レジスタントスターチとも呼ばれ、体内に入ると食物繊維と同じような働きをして腸内環境を整え、血糖値の上昇を抑える働きがあります。

新米の季節に、多くの方々の力で収穫された米に感謝しながら、さまざまな調理法で楽しんでいただきたいと願っております。

次号は「れんこん」を予定しております

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