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インターネット公開文化講座

文化講座

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料理研究歴50年・「伊藤華づ枝の しみじみ おいしいレシピ集」

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第8回:「イチゴ」について学びます。

前シリーズでは、「世界の長寿食」というテーマで、世界各地の人々は健康を維持するために何を食べてきたのかという背景を探りつつ、それらの料理を日本でも手に入る食材を使ったレシピで紹介したり、含まれる栄養素の効能についてもお伝えしてまいりました。
今シリーズでは、料理研究歴50年が経過した筆者が旬の食材を中心に取り上げ、家庭で作れる基礎レシピだけでなく、日本で食べられている世界各地のおいしい料理やデザートなどもご紹介いたします。それぞれの食材が持つ栄養素や美しい盛り付けのコツ・食材にまつわる「おもしろ話」・食事マナーなどについてもご紹介しております。

第8回目のテーマは、「イチゴ」

★イチゴの旬が変わった?

店頭に並べられた、たくさんのイチゴを見ると、「子どもの頃は、イチゴは春の果物だったはずだけど」と思われる中高齢者も多いことでしょう。そうなんです。今から50年ほど前までは、イチゴは露地栽培で4~5月頃が旬でした。その後ハウス栽培の普及によって、現在では11月から6月頃まで出荷されるようになり、クリスマスの季節からは最盛期を迎えます。そしてその種類も実に豊富です。
とちおとめ・あまおう・紅ほっぺ・あきひめなどの品種も多彩で、形も大きさも香りも、まさに競い合うように多種類出回るようになりました。大粒で色鮮やかな甘酸っぱいイチゴは、旬真っ盛りの果物なのです。
ちなみに完熟しても赤くならない白イチゴや、桃のような香りを楽しめる「桃薫」など、個性派品種の生産も増え始めて注目を集めています。

代表的なイチゴ料理のご紹介

*このページ内の料理写真は、すべて伊藤華づ枝が作成・撮影したものです


イチゴとヨーグルトのレアチーズケーキ


イチゴミルクのババロア


イチゴ大福


イチゴのフローズンヨーグルトとイチゴミルク


イチゴのロールケーキ


イチゴのパンケーキ


ミルクゼリー・イチゴソースがけ


イチゴのアイスクリームにイチゴスープ添え


チョコレートクリームのイチゴパイ


イチゴパフェ


イチゴの和風ロールケーキ


イチゴのシュークリーム


イチゴのラッシー


イチゴジャム

 

代表的なレシピをご紹介します

イチゴのフルーツサンドイッチ

イチゴのフルーツサンドイッチ

※写真にはチューリップ形のフルーツサンドを添えました

材料 4人分
イチゴ(中サイズ) 10粒
A 生クリーム 100ml
グラニュー糖 大さじ1
コアントローなど(洋酒) 小さじ1/2
サンドイッチ用パン 4枚
ラップ 適量

作り方

  1. イチゴは洗ってヘタの部分を切り、水気をふきます。
  2. 大きめのボウルに(A)を入れ、氷をあててしっかりと泡立てます。
  3. 2.の1/3量を目安にパンに薄く塗ります。
  4. 3.のパン(2枚)の中央にイチゴを1つ立て、その周りに4つのイチゴを、先がパンの角に向くように置きます。(写真参照)
    イチゴのフルーツサンドイッチのイチゴ置き方
  5. イチゴの隙間に残りの生クリームを詰めます。
  6. 4.の残りのパンを5.の上にのせ、軽く押さえます。
  7. パンからはみ出た生クリームをゴムベラで整え、ラップできっちり包みます。
  8. 対角線で4つに切ります。
    ※冷蔵庫で30分以上休ませると、キレイに切れます。

イチゴの杏仁豆腐

イチゴの杏仁豆腐
イチゴの杏仁豆腐
大きなグラスで作りました
(イチゴのスライスを側面と上部に飾りました)

材料 牛乳瓶10コ分
  大さじ2
粉ゼラチン 1袋(5g)
A 牛乳 400ml
200ml
粉寒天 1袋(4g)
グラニュー糖 40g
B 杏仁霜(杏仁パウダー) 大さじ4(24g)
生クリーム 200ml
C 200ml
グラニュー糖 50g
レモン汁(生) 大さじ1~2
イチゴ 8粒
ミント(あれば) 4~8枝

作り方

  1. 分量の水に、粉ゼラチンを入れてふやかします。
  2. 鍋に(A)を入れて煮立て、1.を入れて再沸騰させます。
  3. ボウルに(B)を混ぜ合わせ、2.を加えて手早く混ぜて、粗熱をとって器に流し入れます。
  4. 3.を氷水で冷やします。
  5. (C)を煮立ててシロップを作り、冷めてからレモン汁を加えます。
  6. イチゴは食べやすい大きさに切ります。
  7. 4.の上に6.を盛り、5.を注いでミントを添えます。

イチゴの栄養素~果物の女王と呼ばれるワケは~

見た目が美しく香りが高いだけでなく、イチゴにはたくさんの種類の栄養素が含まれています。

  1. 栄養素として一番初めに記すべきものがビタミンCです。大粒のイチゴを6~7粒食べれば、大人の1日のビタミンC必要量が充分に補給できるほどです。肌荒れ防止・風邪予防・花粉対策にも効果があるので、まさに今の季節にうってつけの果物です。
  2. イチゴに含まれるペクチンという水溶性食物繊維は、胃腸を整える働きがあります。
  3. イチゴの赤色の成分であるアントシアン(ポリフェノールの一種)は、活性酸素を減らして発ガン物質を抑制し、視力改善にも効果を発揮します。
  4. イチゴの甘酸っぱい酸味はクエン酸で、疲労回復効果があります。
  5. ガムなどに使われている甘味成分であるキシリトールも含まれていることがわかり、虫歯予防にも有効ではないかと注目を集めています。

イチゴを更においしくするために・レンジで色鮮やかなジャム作り

イチゴはそのまま食べるのが一番おいしいことは、読者の皆さまには充分にわかっておられるはずです。しかし電子レンジで作る色鮮やかなジャムも、なかなか良いものです。

  1. まずヘタを取ったイチゴを厚手のビニール袋に入れてギュッとつぶし、砂糖とレモン汁を加えてよく混ぜます。
  2. 耐熱ボウルに移しかえ、ラップをせずに時々混ぜながら5分間くらい電子レンジにかけることを2~3回繰り返せば(1回かけてから少し冷ます)、あっという間に手作りジャムの完成です。
    ※1度に10分間レンジにかけると焦げることがあるので、2~3回に分けると色よく仕上がります。
  3. パンに塗って食べても、プレーンヨーグルトに混ぜてもとってもおいしい!!レンジにかけている間じゅう、部屋の中に甘~い香りが漂って、なんとも幸せな気持ちになれるのも更にうれしいです。


※ちなみに、ブルーベリーやイチジク・キウイフルーツなども同様に作れます。

簡単!レンジでいちごジャム

材料 4人分
いちご 1パック(300g)
砂糖 150g(いちごの重さの1/2量)
レモン汁 大さじ1

作り方

  1. いちごのヘタを取り、ビニール袋に入れて手でギュッとつぶします。
  2. 1.に砂糖とレモン汁を加えます。
  3. ラップをせずに500wの電子レンジで約5分間加熱する、冷ます、を2~3回繰り返します。
    ※一気に加熱すると色が悪くなります。

この原稿を読まれた皆さまが、ますますイチゴファンになられることは間違いないと、料理研究家は確信しています(笑)

次号は、「卵」を予定しております

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