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料理研究歴50年・「伊藤華づ枝の しみじみ おいしいレシピ集」

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第25回:「牛肉」について学びます

前シリーズでは、「世界の長寿食」というテーマで、世界各地の人々は健康を維持するために何を食べてきたのかという背景を探りつつ、それらの料理を日本でも手に入る食材を使ったレシピで紹介したり、含まれる栄養素の効能についてもお伝えしてまいりました。
今シリーズでは、料理研究歴50年が経過した筆者が旬の食材を中心に取り上げ、家庭で作れる基礎レシピだけでなく、日本で食べられている世界各地のおいしい料理やデザートなどもご紹介しております。それぞれの食材が持つ栄養素や美しい盛り付けのコツ・食材にまつわる「おもしろ話」・食事マナーなどについてもご紹介しております。

第25回目のテーマは、「牛肉」

30代から現在に至るまで世界各地を旅した私は、宗教上の観点から牛肉や豚肉を食べない民族がいることを知り、「どうしてこんなにおいしいものを食べないの?」と驚愕しました。そしてまた日本でも、宗教上の理由から約1200年間にわたり牛肉を食べることが禁止されてきた過去があることも知ったのです。日本では文明開化以降の明治時代になってようやく牛肉が解禁され、「すき焼き」や「牛丼」などが食べられるようになったという経緯があります。本格的な普及は戦後になってからのことです。
このページでは、牛肉の優れた栄養素や幸せ度を増す栄養素などをご紹介し、その魅力をたっぷりとお伝えします。

牛肉を使った料理のご紹介

*このページ内の料理写真は、すべて伊藤華づ枝が作成・撮影したものです


牛肉そぼろ入りの巻き寿司


つゆだく牛丼


牛すじのスパイスカレー


牛肉ときのこの和風ピラフ


牛肉ビーフン


ペンネの牛肉ラグーソース


牛肉と豆もやしの韓国ごはん


手作りダレで食べる焼肉と野菜


牛すじ土手煮


すき焼き


牛肉とクレソンの洋風しゃぶしゃぶ


牛肉と野菜の重ね蒸し


牛肉の紙包み焼き


牛肉の赤ワイン煮込み


牛肉とトマトの中華炒め


牛肉のゆで卵ロール


牛しゃぶロール


牛肉とナスのタジン


ふきと牛肉の当座煮


牛肉のまいたけ巻き


牛肉と大根の唐辛子煮

代表的なレシピをご紹介します

牛肉とセロリのピリ辛サラダ

牛肉とセロリのピリ辛サラダ

材料 4人分
牛もも肉又は切り落とし薄切り肉(しゃぶしゃぶ用) 300~350g
なす 2本
セロリ(正味) 80g
とうもろこし 1本
オクラ 8本
レタス 4枚
A 純米酢 大さじ3
しょうゆ 大さじ3
砂糖 大さじ1~
豆板醤 大さじ1弱
ごま油 大さじ1/2~1
しょうが(せん切り) 1片
さくらんぼ(またはスイカなど) 4枝

作り方

  1. なすは輪切りにして油焼きするかレンジで火を通します。
  2. セロリはスジを取って、ごく薄切りにします。
  3. オクラは色よく茹でます。同じ湯で1本を4切れにしたとうもろこしを茹でます。
  4. レタスは千切りにするか手でちぎります。
  5. 大き目のボウルに(A)を混ぜ合わせ、サッと茹でた牛肉とセロリを混ぜて下味を付けます。
  6. 器にレタスを敷いてその上になすを乗せ、下味で残ったタレをかけ、その上に牛肉とセロリを載せます。
  7. お好みでさくらんぼかスイカなどを添えます。

豆と牛肉のトマトスープ

豆と牛肉のトマトスープ

材料 4人分
ひよこ豆(乾燥) 100g
  牛肩ロース肉(塊) 200g
少々
黒こしょう 少々
玉ねぎ 1/2コ(100g)
イタリアンパセリ 4~5本(6g)
オリーブ油 大さじ2
にんじん 80g
A ターメリック 小さじ1/3
パプリカパウダー 小さじ1/3
チリパウダー 小さじ1/3
  トマトソース 1缶(295g)
600ml
トマト 1/2コ(100g)
小さじ2/3
白こしょう 少々
イタリアンパセリ 少々

作り方

  1. ひよこ豆は一晩水に浸けて戻し、やわらかくなるまで茹でます。
  2. 牛肉は1.5cm角に切り、塩とこしょうを振ります。
  3. 玉ねぎをみじん切りにし、パセリは粗く刻みます。
  4. 鍋にオリーブ油を入れ、玉ねぎをじっくりと炒めてパセリと2.の牛肉、いちょう切りにしたにんじんを加えます。
  5. 4.に(A)を加えて炒め、トマトソースと分量の水を入れて煮込みます。
  6. 5.に種を取ってすりおろしたトマトと1.を加え、塩とこしょうを入れて煮込み、器に盛ってパセリを散らします。

牛にまつわる「おもしろ話」・牛は凄すぎる

  • おとなしく繊細な草食動物で、群れでは上下を作らず、比較的平等な生活構造を作っています。
  • 頭を動かさなくても、その広い視野で320度のパノラマビューを見ることができるというのですからびっくりです。
  • とても社交的で群れを好み、「性格が穏やかな牛ほどリラックスして多くのミルクを出す」とされています。
  • 驚くほど記憶力が良く、エサをくれる人の足音や車の音を完璧に聞き分けるともされています。
  • さまざまな声を使いこなし、複数の感情を伝え合い、喜び・悲しみ・ストレス・恐怖・興奮などを表現する知性の高さも魅力的です。
  • 愛情深く、記憶力も優れているため、仲間を失うと長く悲しむと言われています。
  • 牛の胃は4つあり、食べた草を発酵させて口に戻しては噛むという反すう行為を繰り返します。食べる時間は1日で80分~100分という長時間に及び、8時間以上反すうを繰り返しています。いつもクチャクチャと口を動かしているのは消化吸収のためなのです。

部位別の料理法

牛肉は部位によって調理法が異なります。基本的な食べ方としては「柔らかい部位は手早く焼く、固い肉質の部分は時間をかけて煮る」というのが基本です。下記のイラストを確認しつつ調理してください。

サーロイン・リブロース・ヒレ肉など

ステーキ・しゃぶしゃぶ・すき焼き・ビーフカツ・ローストビーフなどに使用します


塩釜焼きローストビーフ

ネック・肩ロース・モモ肉など

シチューやトマト煮込み・ローストビーフなどに使用します


和風ローストビーフ

バラ・スネ肉など

煮込み料理・焼き肉などに使用します


コリアンバーベキュー

調理のコツ

牛肉は焼く30分ほど前に冷蔵庫から出し、室温に戻してから焼くことが大切です。調理に合わせた火入れがおいしさの秘訣です。
身の縮みを防ぐために赤身と脂身の間を切ってスジ切りする、肉叩きやビール瓶などで叩いて柔らかくする、玉ねぎのすりおろし・赤ワイン・牛乳・ヨーグルトなどに漬け込むことで風味をつけたり柔らかさを増すことができます。

「牛肉」に含まれる栄養素と期待される健康効果

  • 体内で生成できない必須アミノ酸(たんぱく質)をバランス良く含み、皮膚や細胞、筋肉や臓器、髪や肌を作ります。
  • 特に赤身は鉄分や各種のミネラルを含みます。鉄分は消化吸収されやすいヘム鉄です。ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて7倍も多く含むことが知られています。ヘム鉄は貧血を防止する高い効果があります。
  • 亜鉛も含み、たんぱく質の合成に関与することから成長促進効果もあるので、成長期の子供からお年寄りまで多くの年代に必要とされる栄養素です。
  • 皮膚機能を維持改善するコラーゲンを含みます。コラーゲンは血管を強化し、老化を防止します。
  • 記憶力を向上させるコリンを含み、認知能力を高めます。
  • カルノシンは抗酸化作用があります。活性酸素を除去して細胞の酸化損傷を保護します。
  • カルニチンは赤身肉に多く含まれる成分で、脂肪燃焼を助けます。

次号は「栗」を予定しております

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