文化講座
第21回:「海藻」について学びます No.2・わかめ・ひじき・もずく
前シリーズでは、「世界の長寿食」というテーマで、世界各地の人々は健康を維持するために何を食べてきたのかという背景を探りつつ、それらの料理を日本でも手に入る食材を使ったレシピで紹介したり、含まれる栄養素の効能についてもお伝えしてまいりました。
今シリーズでは、料理研究歴50年が経過した筆者が旬の食材を中心に取り上げ、家庭で作れる基礎レシピだけでなく、日本で食べられている世界各地のおいしい料理やデザートなどもご紹介しております。それぞれの食材が持つ栄養素や美しい盛り付けのコツ・食材にまつわる「おもしろ話」・食事マナーなどについてもご紹介しております。
第21回目のテーマは、「海藻 No.2・わかめ・ひじき・もずく」
今月のテーマは「海藻」の2回目です。海藻は昆布・わかめ・もずく・海苔などの種類も多く、低カロリーながらも各種の栄養素を豊富に含む優れた食材なので、この海藻シリーズは2回に分けてお伝えしています。No.1は、代表的な海藻である昆布をご紹介しました。
今回は主にわかめを紹介し、ひじきやもずくについてもご紹介します。
わかめ・ひじき・もずくを使った料理のご紹介
*このページ内の料理写真は、すべて伊藤華づ枝が作成・撮影したものです

わかめと手作り焼き豚のラーメン

わかめとトマトのしょうが酢

タコとわかめの中華和え

キャベツとわかめのサラダ
~梅ドレッシング~

わかめとささ身のサラダ

わかめのかき玉汁

ひじきと野菜の卵炒め

もずくの卵とじ

もずくとカニの身の酢の物

たっぷりもずく豆腐

もずくと卵の吸い物
代表的なレシピをご紹介します
新わかめとツナのサッと煮

| 材料 | 4人分 | |
|---|---|---|
| 新わかめ(湯通ししたもの) | 200g | |
| 新玉ねぎ | 大1コ | |
| ツナ缶 | 70g缶1コ | |
| A | かつお出汁 | 150ml |
| 酒 | 大さじ2 | |
| しょうゆ | 大さじ2 | |
| みりん | 大さじ1 | |
| 木の芽(あれば) | 適量 | |
作り方
- わかめはサッと熱湯を通し、水にとってから適当な大きさに切ります。
- 玉ねぎは短いせん切りにします。
- 鍋に1.と2.・ツナ缶を汁ごと入れてから(A)を注ぎ、サッと煮ます。
- 器に盛って、あれば木の芽を添えます。
※わかめは湯通し塩蔵したものでも可・玉ねぎは新物でなくても良い。
ひじきの煮物(うまみの出し方を知る)

| 材料 | たっぷり4~6人分 | |
|---|---|---|
| 米ひじき | 45g(1袋) | |
| にんじん(短冊切り) | 100g | |
| 生しいたけ(せん切り) | 4~5枚 | |
| 鶏ひき肉 | 80~100g | |
| A | しょうゆ | 大さじ1 |
| 酒 | 大さじ2 | |
| 油 | 大さじ2 | |
| かつお出汁 | 300~400ml | |
| B | しょうゆ | 大さじ4~5 |
| みりん | 大さじ2 | |
| 砂糖 | 大さじ1~2 | |
| 枝豆(ゆで) | 15さや | |
作り方
- ひじきはたっぷりの水に40~60分ほど浸けて戻し、ザッと洗ってザルに上げます。※長い時間水に浸けないようにします。
- 鶏ひき肉に(A)で下味をつけます。
- 厚手鍋又はフライパンに油を入れ、にんじんとしいたけを炒めてから2.を加えて炒めます。
※3.のひき肉に下味をつけるのは、パラパラにするためです。 - 3.の肉がパラパラになったら1.とかつお出汁を入れ、にんじんが柔らかくなるまで煮て、(B)を加えて調味します。
- 4.を味を含ませるように煮ます。
- 味を確認してからゆでた枝豆をさやからはずし、混ぜ込んで仕上げます。
もずくのモチモチかき揚げ(沖縄の味付き天ぷら)

| 材料 | 4人分(16~20コ分) | |
|---|---|---|
| 塩もずく | 100g | |
| にんじん(せん切り) | 50g | |
| 万能ねぎ(3~4㎝長さに切る) | 5本(5根) | |
| ちくわ(1/3長さに切ってせん切り) | 2本 | |
| A | 卵 | 1コ |
| 水 | 100ml | |
| 長芋 | 100g | |
| 粗塩 | 小さじ1/2~2/3 | |
| しょうゆ | 小さじ1/2 | |
| 小麦粉 | 100g | |
| 揚げ油 | 適宜 | |
作り方
- 塩もずくは2~3回水を替えながら、10分程水に晒して塩気を抜きます。
- 1.の水気をペーパータオルでしっかりとふき、短く切ります。
- 大きめのボウルに(A)を混ぜ、小麦粉をふるって加えます。
- 3.に2.とにんじん・万能ねぎ・ちくわを加えて混ぜ、スプーンですくって揚げます。
- ペーパータオルを敷いた揚げバットの上に上げて、油気を切ります。
- 器にこんもりと盛ります。
海藻の種類
海藻の種類はとても多く、今回はそれを写真で見て頂きます。左側がひじきです。真ん中と右側が、わかめです。



以下は、主にわかめについて記します。
日本人とわかめは長~いお付き合い~
日本食の代名詞ともいえる「みそ汁」。人気の具については、様々なアンケート結果がありますが、第1位「豆腐」、第2位は「わかめ」、第3位以降は油揚げや大根、ねぎ、なめこなどが続きます。日本ではわかめが海藻の中で一番よく食べられており、代表的な食べ方はみそ汁となっているようです。海藻には多くの種類がありますが、世界中で日常的に海藻を食用としている国は、日本や韓国などごく限られた地域しかありません。最近では海藻の栄養価が見直され、少しずつ世界に広がっています。もともと日本人との関わりはかなり古く、縄文時代の遺跡からも海藻が発見されています。昔から海藻は、島国ならではの貴重な栄養源だったようです。
わかめの成長や部位の扱い方
- わかめは水温が2℃~14℃の、冬から春に向けて急成長する海藻です。11月頃に発芽し、翌年の2月~4月頃に成熟します。そして夏には枯死する1年草です。
- 成熟したわかめは意外に大きく、2mにもなります。色ツヤ、味が良い春が旬です。普段よく食べているのが葉の部分で、他に茎、根っこ(めかぶ・左側写真)に分かれます。いたみやすいため、湯通ししてから塩漬けにされるのが一般的です(中央写真・手前)。水につけて塩を落とし、適当な長さに切って使用します。
- あらかじめ小さくカットして乾燥したもので、湯をかけるだけで食べられる便利なカットわかめもあります(中央写真・奥)。
- 刺身わかめや生わかめとして市販されているものは、そのまま食べることができますが、日持ちがしません(中央写真・右)。
- めかぶ(和布蕪)も最近人気が定着してきました。そのまま食べられるように細切りにしてカップ入りで販売されていますからね。そもそもめかぶとは、わかめの根元にある「胞子葉」といわれる部分で、強い粘りとコリコリとした食感が人気なのです。筆者も大好きで、わざわざ三重県の答志島まで買いに行ったりします。写真中央の左手がもともとの形状で、右側写真の緑色のものは熱湯を通したものです。
わかめなどの海藻に含まれる栄養素と期待される健康効果
- すべての海藻は低カロリーで、腸内環境を整える食物繊維が豊富です。カルシウム・マグネシウム、鉄、ヨウ素などのミネラルを豊富に含みます。
- 中でも、わかめが「体に良い」、「髪に良い」、「お通じが良くなる」ということは、すでに誰もがご存知です。ミネラルやビタミン、アミノ酸が豊富な上、特に注目されているのが、ヌルヌルしたぬめり成分の中に含まれているフコイダンです。
- フコイダンはガン細胞に直接作用してガン細胞を死滅させる効果がある他、免疫力増強作用・胃粘膜の保護などの生理活性効果が期待できます。
- もうひとつのぬめり成分であるアルギン酸は、体内の塩分を排出して血圧や血中コレステロール値、血糖値を下げる効果があります。
- これらの成分は特にめかぶに多く、わかめ・もずく・昆布、ひじきなどの海藻にも含まれています。みその余分な塩分を排出してくれるわかめは、みそ汁の具としてまさに理想的と言えるでしょう。
次号は「グリーンアスパラガス」を予定しております

