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インターネット公開文化講座

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料理研究歴50年・「伊藤華づ枝の しみじみ おいしいレシピ集」

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第26回:「栗」について学びます

前シリーズでは、「世界の長寿食」というテーマで、世界各地の人々は健康を維持するために何を食べてきたのかという背景を探りつつ、それらの料理を日本でも手に入る食材を使ったレシピで紹介したり、含まれる栄養素の効能についてもお伝えしてまいりました。
今シリーズでは、料理研究歴50年が経過した筆者が旬の食材を中心に取り上げ、家庭で作れる基礎レシピだけでなく、日本で食べられている世界各地のおいしい料理やデザートなどもご紹介しております。それぞれの食材が持つ栄養素や美しい盛り付けのコツ・食材にまつわる「おもしろ話」・食事マナーなどについてもご紹介しております。

第26回目のテーマは、「栗」

秋本番を迎えようとしています。この季節は食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋・芸術の秋などと言われるように、過ごしやすい気候だからこそさまざまな事を楽しむチャンスです。とはいえ、やはり一番の楽しみは、「秋の味覚」を堪能することでしょう。新米、マツタケ、ギンナン、サンマ、新ソバ、サツマイモ、柿など、秋の恵みはたくさんありますが、中でも特に秋の訪れを強く感じさせてくれるものに栗があります。今回は人気が高い「栗」についてお話します。

栗を使った料理のご紹介

*このページ内の料理写真は、すべて伊藤華づ枝が作成・撮影したものです


松茸と栗の炊き込みご飯


栗ときのこの炊きおこわ


栗かやくご飯


焼き栗おにぎり


たっぷり野菜とエビと栗のピラフ


きのこと栗のキッシュ


里芋と栗の中華煮込み


栗のポタージュ


栗の渋皮煮


栗の甘露煮


栗のロールケーキ


モンブラン

代表的なレシピをご紹介します

栗ご飯

栗ご飯

材料 作りやすい分量
  米(うるち米) 2・1/2カップ(500ml分)
もち米 1/2カップ(100ml分)
750~800ml(通常の水加減)
大さじ2
利尻昆布 5~8cm
  500g(16~20粒)
小さじ1強
黒ごま(または梅干し) 適量

作り方

  1. 米ともち米は洗って分量の水と酒に浸けます。上に昆布を乗せて、1時間以上浸水します。
    ※1晩浸けても良いです。
  2. 栗は鬼皮を剝いてから渋皮を剥き、水に浸けて30分程度アクを抜きます。
  3. 2.の栗を半分に切り、水から12~15分茹でて水にとります。
    ※水に浸けたままの栗は、1晩以上冷蔵庫で保存できます。
  4. 3.の栗に分量の塩をまぶして、1.の米の上に乗せて炊き、炊きあがった時点で昆布を取り出します。
  5. おひつや器に盛って黒ごまを散らすか、ちぎった梅を乗せます。

栗きんとん

栗きんとん

材料 12~14コ分
生栗 500g
A 100ml~
グラニュー糖 80g

作り方

  1. 栗はきれいに洗ってから鍋に入れ、たっぷりの水を入れて火にかけます。(蒸しても良い)
  2. 1.が煮立ったら50分程度茹でます。*半分に切って食べてみて、中心まで火が通っていれば良いです。
  3. 2.を包丁で半分に切り、中身をティースプーンで削り取ります。
  4. 3.の3/4量を裏ごし(すり鉢ですってもよい)、残り1/4量は粗く刻みます。
  5. (A)を煮立てて4.をすべて入れ、中火で練り上げます。
  6. 5.を小分けにしてバットに並べ、粗熱を取ります。
  7. 6.をラップで、1コあたり30gずつ位の茶巾しぼりにします。

栗にまつわるおもしろ話

  • 栗は野菜なのか果物なのかと問われると、答えは「果物」です。
    農林水産省が作物を分類する時に、「樹木になるものを果物」と定義していて、栗は「果樹」であり、私たちが食べる黄色い部分は種にあたるので果物なのです。
  • 栗のイガのトゲの正体は、植物の「葉」が変化したものです。
  • 実は熟すると自然に落ちます。木から無理やり「もぎ取る」のではなく、自然に割れてイガごと地面に落ちたものを拾うので栗拾いと言います。

栗の語源

  1. 食料として古くから栽培され、果実が黒褐色になるので「黒実(くろみ)」になり、これが転じて「クリ」と呼ばれるようになったという説
  2. クリとはそもそも石という意味で、実の硬い殻をクリと呼んだという説があります


栗の木

栗は立派なのです

  • 適切な環境で育つと、樹齢が数百年に達することも珍しくありません。
  • 栗の材木は、堅くて、重くて、腐りにくいという特徴があり、昔から建物の柱や土台、鉄道線路の枕木、家具等に使われてきました。
  • 栗の葉には自然の防虫効果があると信じられており、昔の人々はこの葉を使って食材を包んだり、虫除けに利用していました。

栗の呼び名

  • 日本では野生種はヤマグリ(山栗)と呼ばれ、果実が小さいことからシバグリ(柴栗)とも言います。
  • シバグリを改良して、栽培している園芸種がニホングリ(日本栗)です。
  • 中国植物名は栗(りつ)と言い、中国のシバグリが、甘栗(天津甘栗)として市販されている栗です。

栗が出てくることわざ

  • 桃栗三年、柿八年
    種を植えてから実がなるまでの期間を示すことわざです。
  • 九里よりうまい一三里(13里)
    江戸時代、日本にサツマイモがもたらされた時、その味が栗と比較されました。栗を9里と重ね、『栗に近い』ので『8里半』、あるいは栗より(9里4里)うまいので『13里』などと言われたとされています。

栗に含まれる栄養素と期待される健康効果~栗は体にやさしい優秀な栄養源です~

  • 栗は果物に分類されていますが、食べる部分の性質や栄養面から見ると種実類(ナッツ類)でもあります。脂質が少なく、デンプンやミネラル、ビタミン、タンパク質をバランスよく含んでいます。
  • 主成分のデンプンは粒子が細かく消化吸収に優れているので、子どもや高齢者、病中病後などの栄養素としても適切です。
  • 抗酸化作用があるビタミンCに富み、活性酸素を抑制してガン予防につながります。
  • ビタミンCはでんぷん質に包まれているので加熱による損傷が少なく、美肌効果が期待できます。
  • 疲労回復効果が期待できるビタミンB1も多く、夏にたまった疲れを癒して冬へ向けて体力を増強するのに役立ちます。
  • 脂質の酸化を防止するビタミンEも含んでいて、細胞老化の抑制に働きます。
  • 渋皮には抗酸化作用を持つタンニンが多く含まれるので、コレステロール値を下げ、糖尿病予防にも効果があるとされています。栗ご飯などには渋皮を少し残して炊き込むと味わいも良くなり香りも増します。
  • 漢方では体を温めて血行を良くし、胃腸の働きを整えて滋養強壮に効くとされています。

次号は「米」を予定しております

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