文化講座
メタボリック症候群とは−5
メタボリック症候群は動脈硬化性疾患の原因となることから問題となっている。
その悪さを引き起こすのは、内臓脂肪蓄積に関係する脂肪細胞や組織(white adipocytes、white adipose
tissue)がアディポカイン(adipokines)あるいはアディポサイトカイン(adipocytokines)と呼ぶサイトカイン(cytokines)を分泌して、動脈の血管内皮組織の炎症を誘発することに始まる血管病なのだ。
つまり、炎症に起因する血管病の予防はアンチエイジング、老化のみならず、人間全体の全ての臓器、組織、細胞の退化を予防するためのレッスンワンだと言うことなのだ。
皮膚の弾性、シワ,シミの予防など美容,美肌にとっても、まず、注目すべきポイントとなる。
その脂肪細胞が内分泌細胞として分泌するアディポカイン、あるいはアディポサイトカインには大きく分けて2種類在る。
まず、善玉サイトカインと呼んでいるアディポネクチン(adiponectin)、adipo-tissue-specific
collagen-like protein、anti-atherogenicやanti-diabetic蛋白のように動脈硬化や糖尿病を予防する生理活性物質のグループがある。
それに対して、悪玉サイトカインと呼ぶplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1),
tumor necroses factor-alpha(TNF‐α)のように、血管に障害を与えることになる生理活性物質のグループがある。
その他、interleukin,ハプトグロブリンなど、炎症と関係したアディポカインが次々発見されている。
その内でも、血清中に多く存在しており,測定可能なアディポネクチンは脂質代謝や潜在的な抗炎症作用を持っている重要なサイトカインなのだ。
一方、PAI-1,TNF-αは炎症を引き起こし、心血管病や糖尿病を誘発,悪化させる。
ビスフィチン(Visfatin)のように肥満と関連した心血管病や糖尿病疾患の促進に働く内臓脂肪特異蛋白(visceral fat-specific protein)もある。
まだまだ、新たなるアディポカインは発見されること間違いなしの状況なのだ。