文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その27
肥満と痩せの危険性・・19
―BMIと年令別死亡リスク・・55才未満―
T.Pischonの論文から続けます。
今回から、BMIと年令と関係した相対的死亡リスクを取り上げます。
まず、55才未満の男女別にBMIによる肥満と痩せと死亡リスクについてです。
BMIと死亡リスクの増減をBMI 23.5to<25.0でのリスクを1.00としてBMIと関連する55才未満の男女別の相対的死亡リスクで示します。
つまり、値が1.00以下で死亡リスクの低下、1.00以上でリスクの増加を意味します。
BMIと55才未満の男女別相対的死亡リスク | ||||
BMI | 男性 | 女性 | ||
痩せ | <18.5 | 4.43 | 1.69 | |
正常 | 18.5 to<21.0 21.0 to<23.5 23.5 to<25.0 |
1.66 1.07 1.00 |
1.15 0.96 1.00 |
|
過体重 (チョイ肥満) |
25.0 to<26.5 26.5 to<28.0 28.0 to<30.0 |
1.09 0.91 1.16 |
1.04 1.06 1.16 |
|
肥満 | 30 to<35 ≧35 |
1.41 1.98 |
1.24 1.66 |
・痩せBMI<18.5
55才未満の男女では、痩せBMI 18.5以下では死亡リスクが最も高いレベルにあると判ります。
男性では4.43倍、女性では1.69倍を示し、男性で特に痩せが危険だと判ります。
・正常BMI
正常BMIにあっても、男性ではBMI 18.5to<21.0では1.66倍の死亡リスクにあります。
つまり、男性ではBMIが正常であっても、低いレベルのBMI 21.0以下は危険が増すのです。
女性でも、BMI<21.0では死亡リスクは高いと言えますが、BMI 21.0to<23.5では死亡リスクは逆に低い傾向にあるようです。
・過体重(チョイ肥満)BMI
男性ではBMI 26.5to28.0で死亡リスクは最も低いレベルにあり0.91倍となります。
女性では死亡リスクの低下はありません。
男女共にBMI 28.0to<30.0と上昇すれば死亡リスクは増す傾向となります。
・肥満BMI
男女共に肥満BMI 30.0以上で死亡リスクは増加となります。
男性では超肥満BMI≧35で1.98、女性では1.66倍となります。
以上より、55才未満の男性ではBMI 21.0以下の痩せBMIと過体重、肥満BMIとなる28.0以上は死亡リスクが高くなるとなります。
女性では痩せBMIが21.0以下と過体重、肥満BMI 28.0以上は要注意と言えますが、男性に比して死亡リスクの差は著しくないようです。
男性ではBMI 26.5to28.0のチョイ肥満で、女性ではBMI21.0to<23.5の正常BMIの範囲が良いようです。