文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その31
肥満と痩せの危険性・・23
―BMIと5年以上での男女別死亡リスク―
T.Pischonの論文で続けます。
前回が5年以内であったのに対して、今回は5年以上での死亡する危険性の増減とBMIとの関係を男女別で比較して取り上げます。
5年以上で死亡するリスクの増減はBMI 23.5to<25.0にあっての死亡リスクを1.00として、それぞれのBMIでの男女別相対的リスクとして示します(値が1.00以下で死亡リスクの低下、1.00以上でリスクの増加を意味する)。
BMIと5年以上を経ての死亡する 男女別相対的リスク |
||||
BMI | 男性 | 女性 | ||
痩せ | <18.5 | 1.78 | 1.56 | |
正常 | 18.5 to<21.0 21.0 to<23.5 23.5 to<25.0 |
1.45 1.03 1.00 |
1.24 0.97 1.00 |
|
過体重 (チョイ肥満) |
25.0 to<26.5 26.5 to<28.0 28.0 to<30.0 |
0.95 0.98 1.09 |
1.02 1.09 1.13 |
|
肥満 | 30.0to<35.0 ≧35.0 |
1.29 2.09 |
1.21 1.66 |
・痩せBMI<18.5
痩せBMI<18.5での死亡リスクは男性ではおよそ2倍近く、女性では1.5倍程高くなると判ります。
・正常BMI(BMI18.5to<25.0)
正常低めBMI 18.5to<21.0では男性は1.5倍、女性では1.3倍程の死亡リスクの増加。
BMI 21.0to<23.5では女性では死亡リスクが、逆に0.97と減少傾向を示しています。
・過体重(チョイ肥満)BMI(BMI 25.0<30.0)
男性では過体重のチョイ肥満の内で、BMIが低めのBMI 25.0to<28.0では死亡リスクが低下傾向となります。
しかし、女性ではBMI 26.5to<28.0では増加傾向に転じています。
男性でもBMI 28.0to<30.0では増加傾向となります。
・肥満BMI(BMI30.0<)
男女共に肥満BMI 30.0<では死亡リスクは増加傾向が明らかとなります。
取り分け、BMI 35≦の男性では2倍以上となります。
以上より、男女とも5年以上での死亡リスクは、前回取り上げた5年以内と同様の傾向にありますが、痩せでの死亡リスクは男性では低下傾向となります。
肥満BMI 35≦での上昇は同様です。
死亡リスクが最も低下するのは男性ではチョイ肥満低めBMI 25.0to<28.0、女性では正常域BMI 21.0to<23.5が良いとなります。
つまり、BMI<21.0の痩せ傾向、BMI 30.0<の肥満が危険ということです。