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健康ライフのためのサプリメント&代替医療

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

心筋梗塞既往と心血管死亡:コレステロール180㎎/dl以下、LDL−コレステロール100㎎/dl以下とする危険性・その1

大櫛グループによる『コレステロール治療ガイドライン 2006・03』(大櫛陽一著「検査値と病気 間違いだらけの診断基準」・太田出版)では、たと え、狭心症や心筋梗塞などの虚血性疾患の既往のある人達、糖尿病の人達、心筋梗塞などが発症する危険性が低い人達の、いずれであれ、血中総コレステロール 値(TCH,㎎/dl)は、180以下、LDL-コレステロール値(LDL-C,㎎/dl)は100以下にしないようにとの基準となっています。

  家族性高コレステロール血症にあっても、同様のTCH<180、LDL-C<100としないようにとあります。
  一方、日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版」(協和企画)が提唱する「リスク別脂質管理目標値」の設定があります。

その設定基準にあって、「冠動脈疾患の既往のある人達」、つまり心筋梗塞などの既往がある患者にとっての「脂質管理目標値」は次のようになっています。
  LDL-C<100、HDL-コレステロール≧40、中性脂肪(トリグリセライド)<150となっています。

  今回の日本動脈硬化学会による改定によって、既に取り上げましたように、病名が「高脂血症」から「脂質異常症」に変わり、血中総コレステロール値は診断基準から排除されました。

しかし、上述の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版」にある血中総コレステロール値は、実質的には、そのままとした値を想定しています。
  そうなりますと、LDL-C<100、TCH<180の条件と言えます。

  つまり、大櫛グループの管理基準と日本動脈硬化学会による脂質管理基準は、心筋梗塞の既往がある患者にとっては、TCH180、LDL-C100をめぐって基本的な相違があると判ります。

そこで、まず、それぞれのグループの診断、治療の基準値を知る必要があることになります。
加えて、心筋梗塞既往のある人達の治療にとって、スタチン系薬剤投与によるTCH,LDL-C低下療法によって、心血管死亡率を低下させるのは、 TCH<,>180,LDL-C<,>100のどちらの基準値に適うかを検討しましょう。

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