文化講座
コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性 その26
肥満と痩せの危険性・・18
―喫煙死とBMI・・女―
T.Pischonの論文からの続きです。
タバコ、喫煙とBMI(Body Mass Index)と関連した死亡危険の増減について前回は男性でしたが、今回は女性を取り上げます。
非喫煙、喫煙歴あり、喫煙者の三グループでBMIと死亡リスクの増減をBMI 23.5to<25.0でのリスクを1.00としてBMIと関連する相対的喫煙リスクの増減で示します。
つまり、値が1.00以下でリスクの低下、1.00以上でリスクの増加を意味します。
BMIと喫煙死の相対リスクの増減―女性 | ||||
BMI | 非喫煙 | 喫煙歴有り | 喫煙者 | |
痩せ | <18.5 | 1.44 | 1.47 | 2.29 |
正常 | 18.5 to<21.0 21.0 to<23.5 23.5 to<25.0 |
1.09 1.00 1.00 |
1.01 0.85 1.00 |
1.53 1.14 1.00 |
過体重 (チョイ肥満) |
25.0 to<26.5 26.5 to<28.0 28.0 to<30.0 |
1.00 1.12 1.12 |
0.94 0.91 0.94 |
1.07 1.21 1.30 |
肥満 | 30 to<35 ≧35 |
1.25 1.80 |
0.95 1.49 |
1.38 1.60 |
・痩せBMI<18.5
痩せBMI<18.5では喫煙者で死亡リスクは2.29倍と上昇、非喫煙者(1.44)と喫煙歴あり者(1.47)に比して著しい増加です。
また、痩せでは喫煙の有無に関係なく、死亡リスクが増加することを示します。
・正常BMI 18.5to<21.0
正常BMIの内、BMI 18.5to<21.0で、喫煙者では1.53倍と死亡リスクが増しますが、非喫煙者、喫煙歴ある人では、あまり死亡リスクには差が出ていません。
・過体重(チョイ肥満)BMI 25.0to<30.0
過体重(チョイ肥満)では喫煙の有無は、あまり死亡リスクには影響を与えないと言えますが喫煙者は要注意です。
但し、喫煙歴のある人では、死亡リスクは正常BMI 21.0to<23.5ともども低下傾向にあるようです。
・肥満BMI>30
BMI 30.0to<35では喫煙歴があると過体重BMIでの傾向と同様に死亡リスクは低下傾向となり、喫煙者で増加傾向となります。
しかし、BMI≧35では喫煙の有無とは関係なく死亡リスクは上昇傾向となり、喫煙者(1.60)より非喫煙者(1.80)で死亡リスクは増加となりました。
以上より、喫煙によるBMIと関連する死亡リスクは痩せ(BMI<18.5)で増加となるが、他のBMI領域ではあまり差が無いと言えます。
痩せの喫煙者で死亡リスクが増すのは痩せが肺障害を誘発して肺炎などの死亡者が増すことを示していると思います。
女性で痩せ者の喫煙は男性同様危険だと言うことです。
しかし、肥満傾向者は喫煙歴があるほうが良い!?