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健康ライフのためのサプリメント&代替医療

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

心筋梗塞既往と心血管死亡:コレステロール180㎎/dl以下、LDL-コレステロール100㎎/dl以下の危険性・その5

 前回に続けて、『メタボの罠−「病人」にされる健康な人々』(大櫛陽一著、角川SSC新書)からの紹介です。
  我が国のメタボリックシンドローム(メタボ、メタボリック症候群)の診断基準の必須項目であるウエスト周囲径の基準値設定に問題があるのです。
  ウエスト周囲径は、男性85cm以上、女性90cm以上が、現在の我が国のメタボ診断の必須項目となっています。
厚労省の発表した(2005年)メタボ診断基準(日本版メタボ)は表面的には日本を代表する8学会によって決められたものですが、問題は、ウエスト周囲径 は日本肥満学会、血圧は日本高血圧学会、脂質は日本動脈硬化学会、血糖は日本糖尿病学会が使っていた基準のそれぞれを寄せ集めて設定しているだけだと言うことです。
  ところが、日本も参加している国際糖尿病連合(IDF)から、2006年秋に「日本のウエスト周囲径の基準は奇妙だから使わないように」との宣言文が出されたのです。
  そして、2007年6月には「日本人のウエスト周囲径の基準(IDF日本人診断基準)は男性90cm、女性80cmとする」と定めたのです。
  つまり、日本版メタボ診断基準と国際糖尿病連合版メタボ診断基準とは、同じ日本人を対象としたウエスト周囲径が異なってしまったことになります。
  IDFの診断基準は、それぞれの国や地域別のウエスト周囲径を設定しています。
  例えば、中国人は男性90cm以上、女性80cm以上、南アジア人は、男性90cm以上、女性80cm以上、欧州人は、男性94cm、女性80cm以上、米国人は男性103cm以上、女性89cm以上としているのです。
  問題は、日本版メタボ基準でのウエスト周囲径は、男性85cm以上、女性90cm以上、IDF日本人ウエスト周囲径は男性90cm以上、女性80以上となっていることにあります。
  日本版メタボ基準でのウエスト周囲径は、男女逆で、女性より、男性が短く設定されており、IDFメタボ基準での、例えば、中国人や南アジア人の男性基準90cm以上より短い85cm設定になっていることです。
  日本版メタボ基準では、男性ウエスト周囲径85cm以上を用いた場合、中年男性での異常率は5割に及ぶことになるのです。
  大櫛陽一は、我が国のウエスト周囲径の測定法が国際基準とは異なっていることが問題であると同時に、医療機関通いを促される受診勧奨者増加にあると指摘しています。
  受診勧奨率が49.7%達する程我が国の健康状態が悪いのかとなります。

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