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健康ライフのためのサプリメント&代替医療

Dr.BEAUT・ソフィーリッチ代表
医学博士 山中 直樹

メタボリック症候群とは−2

肥満と心血管イベントの原因となる動脈硬化との関係についてはコレステロールに注目が集まってきたが、血中のコレステロール値とは必ずしも関係なく心筋梗塞や脳梗塞の発生が増加していることが判ってきた。
  例えば、閉経後の女性は血中コレステロール値が高くても、動脈硬化性はあまり関係しないとの結果になっている。
  動脈硬化の危険因子が増すのは、内臓脂肪型肥満(上半身肥満)、高血圧、血中の中性脂肪高値や善玉コレステロール低値、高血糖や耐糖能異常だと判ってきた。
  そうした症候に、メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)という概念に国際的な統一がなされて、内臓脂肪を重視した診断基準が定められるようになった。
  従来からのBMI(Body Mass Index)を診断基準からはずして、ウエスト周囲径(臍の周囲)を中心に据えるようになった。
  つまり、ウエスト周囲径が統計的検討によって、現在の所、内臓蓄積脂肪量を表しているパラメーターとなることが判ってきたために、診断に用いられるようになっている。
  現在、内臓蓄積脂肪量をCTなどによって測定することなく、ウエスト周囲径を簡便方法として代用するようになった。
  そして、ウエスト周囲径が内臓脂肪の蓄積を判断するマーカーとして必須項目とした診断基準が決められるようになっている。
  しかし、現在、世界的に統一した診断基準の設定にはなっておらず、それぞれの国や機関によって、異なっているのが現実だ。
  例えば、世界保健機関(WHO)、国際糖尿病連合、アメリカの国立コレステロール教育プログラム(National Cholesterol Program)などの診断基準などがある。
一方、我が国では、2004年4月に内科系の8つの学会(日本動脈学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓学会、 日本血栓止血学会、日本内科学会)が合同委員会を設けて、統一した診断基準を決めた。
  メタボリックシンドロームの病名をシンドローム(症候群)と言っているのは、明確な原因に基づいた疾患として解明されていないことを意味するのだ。
  言ってみれば、内蔵に蓄積した脂肪細胞が各種の内分泌因子を分泌して動脈硬化を誘発、促進する複合症候群なのだ。
  それ故、今後、その病態が解明されると診断基準や病名は変わる可能性が高いのだ。

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