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信天翁喫茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

「ケガレ・ケ・ハレ」:喫茶・茶の湯のもう一つの道-11

「ワンピース」の価値観と人間関係―1

 私が喫茶・茶の湯で敬愛して憧れる人は戦国動乱期の古市播磨と上井覚兼です。
 いずれの人も既に取り上げました。
 古市播磨は村田珠光が侘びの心を伝えた文を残す人物ですが、大和地方の動乱期を清濁合わせ持つ権謀術策で戦い、喫茶・茶の湯を楽しんだ歴史上の人物です。
 上井覚兼は薩摩・島津の重臣ですが、勇猛果敢な武将で戦いに明け暮れました。
 「上井覚兼日記」を記して、戦国時代の大名や武将の日常を知る貴重な資料としてその一部が今日に残っています。
 上井覚兼は利休とも時代が一致しますが、遠く薩摩の地で、独自の喫茶・茶の湯文化を楽しんだ人物です。
 喫茶・茶の湯を介して、動乱期に自分流生き方の価値観を持って人々との人間関係や信頼を築いた人物だと思います。

 私にとって、現代にあっての生き方や人間関係を考えさせるのは古市播磨や上井覚兼に加えて、漫画・アニメの「ワンピース」です。
 御存知の人達が多いとは思いますが、「ワンピース」は尾田栄一郎による連載本の第66巻が最近出版されて人気上昇中です。
 私は漫画・アニメ・映画では、「赤毛のアン」、「星の王子さま」、「モダン・タイムス」、「ブラック・ジャック」(手塚治虫)、「耳をすませば」(宮崎駿)や「リトル・チャロ」(わかぎゑふ)などの戦を主題としないのが好きです。
 戦さものとしては、今も続いている「スターウォーズ」、「宇宙戦艦ヤマト」、「新世紀エヴァンゲリオン」や「ワンピース」です。
 「スターウォーズ」、「宇宙戦艦ヤマト」や「ワンピース」では戦さにあって、どちらにも正義がないことを話題とします。
 「ワンピース」は若き社会学者・古市憲寿が「絶望の国の幸福な若者たち」(講談社、2011年9月5日)にも取り上げられているほどです。
 グローバルとグローカル基準とはを考えさせます。
 参考までに、最近出版された「ワンピース」を主題とする本を紹介します。
 一人一人にとっての価値観による生き方と人間関係を考えさせます。

・「ワンピース、ストロングワーズ」尾田栄一郎、解説・内田樹、上下巻(集英社新書ヴィジュアル版、2011年3月14日)
・「ルフィの仲間力」安田雪(アスコム、2011年9月29日)
・「ワンピースの言葉」遠越段(SOGO HOREI、 2011年11月3日)
・「ワンピースの言葉が教えてくれること」方々食正彰(あさ出版、2012年2月20日)

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