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信天翁喫茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

「臨床喫茶学」:「信天翁喫茶入門益荒男が茶の道」(山中直樹著)の勧め-8

平和資本主義による東日本大震災復興・・1
―日本の成熟の道―

 不幸で悲惨な東日本大震災跡の情景は広島、長崎に原子爆弾が投下された廃墟を思い出させるではありませんか。
 今回の大震災による災害は原爆投下による被害と同様に人類による愚かな人災なのです。
 津波と東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)による災害の拡大は利益の最大化を求める資本主義による目先の経済的利益を優先して社会資本コストを抑制するために想定される災害の危険性を過少評価した"安全神話の幻想"による"万全の対策"に原因があるのは明らかです。
 「価値観による選択の自由」を人々から奪って専政支配を行った共産主義社会は1989年ベルリンの壁崩壊が象徴するように破綻して以後、勝ち残った利益追求最大化型資本主義は今や崩壊する危機に直面しています。
 日本は1991年にバブル経済は弾け、2008年にはリーマン・ショックによる世界金融危機に直面、現在もユーロ圏で続いています。
 共にバーチャル経済、バーチャルマネーの幻想に利益を求めたからです。
 そして、2010年末にはチュニジアに始まるネット革命による貧困格差と専政政治による破綻が中東から世界に波及する勢いです。
 地球上の人口の半分を占める30億に及ぶ1日2ドル以下で暮す貧困格差の瓦解が始まったのです。

 M9以上の超巨大地震と巨大地震(M8~9未満)は二十世紀以後の日本でも9回以上、三陸沖に限っても三回発生しています。
 近年は増幅された地震が多くなっており、10m(メートル)以上の津波発生の危機は既存の巨大防潮堤の建造物による守りは破綻するが想定内の予定調和だったのです。
 福島第一原発では5.4m~5.7mの津波の高さを想定しており、設計の想定を超える確立は50年以内に10%以上の可能性ありとの東京電力による予測があったのです。
 加えて、非常用発電機設置を高い所に積み上げて設置するを拒否したと伝わっています。
 今回の東日本大震災は利益の最大化を求める資本主義による安全のための社会資本負担を軽減した経済優先破綻の象徴なのです。
 科学・技術の社会的還流にあたり、利益優先ゆえの誤りがあったのです。
 今や、次には前述した経済矛盾による戦争が起こって人類崩壊が想定内となっています。
 こうした現実に利益優先の資本主義に起因する破綻を誘発する前に、全人類が健康で文化的な生活ができる平和資本主義への転換を図るをキーとする東日本大震災からの復興モデルが必要に迫られていると判ります。

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