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信天翁喫茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

臨床喫茶学:33

健康寿命&平和寿命を延ばすスキ茶寄合―2―

 人類の先祖はお互いに協力して厳しい自然と向き合い、共食共生して発展しました。
 150万年近く前には焚火をした跡が見つかっています。
 火によって巨大な肉食動物を追い払うことが出来るようになり、また、確保した肉を加熱して食べることを知りました。
 肉食によって"料理"が始まり、草食より食時間は著しく短縮され一緒に食べるようになり共食共生のつながりが深まりました。
 生肉より消化し易くなり、カロリーや栄養成分も効率よく摂取吸収し易くなります。
 脳は1日およそ400キロカロリーのエネルギーを消費します。
 人体が消費するエネルギーの20%程を費やしているのです。
 多くのエネルギーを消費する必要がある脳は進化を続けるために肉を手に入れて食べることは今日同様に大切だったのです。
 火と道具の利用によって動物を狩り、肉獲得の容易度が増し、大きな脳の発達となり、道具や武器をうまく使い、工夫する能力の発展がスピードアップするようになりました。
 二足歩行は手が自由となり、移動に必要なエネルギーは四足歩行に比して消費エネルギーは25%程で済みます。
 石器や火を使い、肉食はエネルギーと栄養成分摂取効率を上げ、二足歩行で消費エネルギーを節約し、脳にはエネルギー供給を上げることが出来るようになったのです。
 脳は大きくなり、知性を発達させ狩猟採集、武器、道具の工夫発達によって進化の連鎖を加速し続けたのです。
 感情、畏敬など「心」も誕生して、共存、信仰心が生まれました。
 ネアンデルタール人になると笛のような最古の楽器を作って音楽を奏で、死者を葬ことが始まり、仲間と会話をする高い知能と知性を備え、美しいものに感ずる文化を育んだのです。
 知性で自然環境に適応するが、"知性の及ばない神への畏敬"と観察、予測により、改良する科学思考も発達しました。
 二足歩行、肉食による共食共生が今も変わらぬ人類進化の原点だと判ります。
 農耕の発展ではイネは、中国、韓国で、小麦は中東で、それぞれ紀元前7000年に始まっています。
 茶畑が初期稲作集落跡・田螺山遺跡(浙江省)で紀元前4000~3500年前の地層から見つかり、紀元前1000年前には薬として始まっていたのです。
 茶を食したり飲料としての喫茶は言われている正史より驚くほど古くから開始されていたのです。
 茶は共食共生のキーだったと思います。

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