文化講座
「ケガレ・ケ・ハレ」:喫茶・茶の湯のもう一つの道-17
「ワンピース」の価値観と人間関係―7
直心・一期一会の文化:1
喫茶・茶の湯は主客直心と一期一会の人間関係をキーとします(山中直樹著『信天翁喫茶入門益荒男が茶の道』アマゾン、アップストア・App Storeの電子書籍で販売中)。
不安な時代は心の絆・連帯で結ばれた人間的関係が大切になります。
主客直心の会話は偽りのない直心で会話することによって心の絆を深めるにあります。
「ワンピース」のルフィ―は、まさに、直心の会話そのものを実践しています。
一期一会とは、一生に一度しかないとの心構えでお互いの絆を築くことにあります。
前回取り上げましたがゾロがチョッパーとの会話で、一人一人が目標を持ってやりたいことに頑張るのですが、仲間との人間関係について次のようです。
「仲間の本当の目的は何なんだ。助け合ってかばい合っておればそれで良いのか。何かごまかしているようにしか思えない」と共利共生社会とはを考えさせます。
「仲間と言っても一匹狼で良いではないか。何で仲間で居続けるのか。付き合いが長くなると何かオレには判らないけれど別の目的が生まれる」としています。
自立した人達がお互いに上下の支配関係にはない偽りのない共利共生関係が生まれることの大切さを語っています。
最近、香山リカ著『絆ストレス 「つながりたい」という病』(青春新書 2012年 10月15日)が出版されました。
震災後の「絆」、家族の絆、交流サイト・SNSと絆、絆に縛られる男女、母娘、さらに「孤独死」は本当に不幸なのかと問うています。
現代社会での「絆」の在り様を取り上げて、逆に「絆ストレス」に縛られて、「しなやかに生きる」力を失っていることを指摘しています。
「絆」は、ゾロの言う如くに一人一人が「何かに一生懸命に生きる」直心・一期一会の関係が大切であり、サンジ、アンパンマンの言う「空腹・飢餓」には善悪を超えて助ける「正義」を必要条件とするにあると思います。