文化講座
臨床喫茶学:39
健康寿命&平和寿命を延ばすスキ茶寄合-8-
和食文化と喫茶・茶の湯―1
私は和食と深い関係にある喫茶文化の源流をたどり明らかにしたいと思っています。
喫茶・茶の湯は和食文化にあって、多元性、多重性、多様性あるつながりがあるのです。
私は茶櫃にお気に入りの茶碗などの道具を組み込んで自分流に楽しむのが好きです。
必ずしも抹茶に限ってはいません。
私好みの焙じ茶や地域特性のある番茶を探して食事と組み合わせたり、鍋料理に用いて味わうことはうれしいものです。
茶の葉を加工して食べたり飲用するのは縄文時代の焼畑農耕まで遡るのです。
また、紅茶や普洱茶を含む地域性ある茶も国の内外で各種あって限りがありません。
それぞれでお茶の点て方やお菓子や食事などとの取り合わせを味わえるのです。
喫茶を共にする相手を考えながらどんなお茶や菓子を選び雑炊などともてなすかに思いを巡らすのは楽しいことです。
まさに、和食・喫茶が相手の好みによってもてなす日本文化としてのレッスンワンだと思っています。
ハイカルチャ―としての非日常的な和食や喫茶ばかりを意味しているのではありません。
日常生活にあっても突然の来訪、友達、ご近所の人達とのさりげない気遣いともてなしも出来るのです。
ローカルチャーと言って良い一期一会の日常茶飯文化はお互いが生きている心の豊かな触れ合いとなります。
高価な道具や料理でなくとも人それぞれに思い入れのあるお茶、お菓子、茶碗や料理と食器などを用いて楽しめるのです。
自分だけの大切な思い入れのあるもの。
一緒に茶を共にする人との絆となるもの。
お茶や取り合わせの嗜好は社会的な意味での高貴評価や値段は問題ではないのです。
もてなす相手とのかかわりによって、言わずもがなの絆として心が温まります。
一人で茶を喫する場合でも、思い出のある茶碗に口をつけながら亡くなった人が生きているように会話することが出来るのです。
井伊直弼の言う独坐観念です。
Lonelyではなく、Aloneで人と手をつないでいるような心の温もりが感じられるようになります。