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信天翁喫茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

「臨床喫茶学」:「信天翁喫茶入門益荒男が茶の道」(山中直樹著)の勧め-3

 今日、茶の湯文化は日常の現実的な生活環境からは遊離した道場的文化中心となっていますが、「臨床喫茶学」は現実の生活、生き方に役立てんとするものです。
 喫茶・茶の湯文化のレトロを学び、レトロ・モダンに現代生活に生きた文化を目指します。

 茶の湯は、レトロ的表現をすれば、侘、寂、幽玄、おもてなしの日本を代表するグローカル文化(地域性ある地球的視野の文化)だと思います。
 臨床喫茶学的レトロ・モダンに言えば、ガマン、モッタイナイ、オタク、モエ、間、淡交をキーとして、常にグロースカル(地球的視野の発展)させなければならない簡素が最高の贅沢とする日常生活文化なのです。
 今日の不安の時代にあって、先回示したように「臨床喫茶学七策」として、健康で文化的に生きるための生活実践に生きた文化としての役割があります。

 臨床喫茶学は従来のマスメディアに加えて、ITの発展によって、バーチャルリアルな人間関係が、血縁、地縁、職縁とは異なったIT・バーチャル縁として日常生活に大きな影響力を持つようになりました。
 また、遺伝子・再生技術や人工生体材料・ナノ・マイクロテクノロジーの活用は人の命、生き方に大きく関わってきています。

 加えて、脳科学の進歩によって、心脳と言われる人間の意識や行動と社会との関わりも次第に明らかになってきました。
 人間の脳神経系は知性、理性的役割を担う大脳の前頭葉領域と身体内の脳神経系のネットワークによる心身への作用を考慮した意識、心、行動の問題が大切となっているのです。
 人間個人の中に、本人が気づかない形で他者がいる「心脳の社会」があるのです。
 つまり、人間の身体内に本人が無意識な外部社会があることになり、その上で、人間は個人として外部人間社会環境と関わって生活しているのです。

 レトロに学べば、茶の湯文化は陰陽五行の気と深い関係にありますが(「信天翁喫茶入門益荒男が茶の道」)、レトロ・モダンの臨床喫茶学は、無我、無意識社会の感性を内包する心脳が演じながら繋がることを学び体現してグロースカルするのです。

信天翁喫茶ワールド
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