文化講座
臨床喫茶学:32
健康寿命を延ばすスキ茶寄合-1-
長寿社会を迎えて健康寿命が話題となっています。
健康寿命とは「健康で介護を受けることなく自立した日常を過ごせる寿命状態で生きるを喜び」とするを意味します(山中直樹著「Dr.ビュート流健康寿命&平和寿命を延ばす本」、アマゾンで入手可)。
つまり、一生を自立的な生活を楽しむ生き方をするにあるのです。
そのための日常の食生活をどのようにするかは大切な意味を持ちます。
600万年以上前に類人猿が二足歩行を始め、太古の時代から肉食動物が食べ残したり、死んだ直後の動物の肉類を食べました。
250万年前になると自由な手を使って石器を作る知性を持ったのです。
二足歩行と手を使い、肉食と植物食によって脳が大きくなり高度の知性を発揮することが出来るようになったからです。
現代人類は1万3千年前には農耕による小麦の栽培を開始する程になったのです。
牧畜とともに食糧確保に安定性は増したと言っても、不安定な自然界にあって人類は食糧不足による飢餓に耐えるため、お互いに助け合って生きていたのです。
自然と共生することを学び、確保した食糧は分け合って共食することによって厳しい自然環境の変化に対応しました。
共食共生は人類始まって以来の歴史なのです。
共食共生のための平和な集落から首長集団、戦い集団が次第に形成されて身分制、格差社会が発生してしまったのです。
私たちの日常茶飯の生活は、茶の間、ちゃぶ台と言って、「茶」と深い関係を持って生活していたと判ります。
「正史」では我が国への茶の伝来は、平安時代の最澄らによる茶種に始まり、鎌倉時代の栄西による茶種と抹茶法の伝来が歴史的な常識として語られてきました。
しかし、最近はそうした「常識」は覆っています。
茶に限らず、「正史」は、権力者達にとって都合よく作られ伝えられていることは少なくありません。
逆に、民情の歴史となる稗史となる資料として残されることが少ないのです。
茶のような食材は湿気の強い我が国では遺跡として残りがたいとの難点もあります。
それでも、良く知られた「茶の正史」ではない「茶の稗史」に注目して「健康寿命を延ばすスキ茶寄合」を平和寿命をも延ばす「信天翁喫茶ワールド」を創生したいと思います。