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インターネット公開文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

食品のパッケージカラー

コンビニやスーパーに陳列されたお菓子やジュースは試食できませんが、パッケージの絵や写真、色を見て、「美味しそうだな」と感じて商品を手に取っていませんか?色を見ると味覚が刺激されるという習性が私たちにはあります。
食品のパッケージカラーには、食欲を増進する色として、赤や橙、黄色などの暖色系が使われたり、商品そのものの色、たとえばチョコレートならブラウン、お茶ならグリーンなどが使われているのを既に皆さんご存知かと思います。でも、どのメーカーも同じようなパッケージカラーを使用していたら、消費者へのアピールが弱くなってしまうと思いませんか?そこで、競合他社に打ち勝つためは色彩戦略が必要なのです。新商品を世に出す時、どんな色が売れるのか、新鮮なイメージを与えるのかを考えて、パッケージデザインはなされます。鮮やかな赤や橙、黄は美味しそうに見えるだけでなく、目立つ色でもありますが、かえって、地味な色や、寒色系などの沈静色の方が人目を引くこともあります。また、缶コーヒーのように、カラーバリエーションで目を引きつける方法もあります。昔は、「コーヒー=茶色」でしたが、今では、赤、青、緑、黒など、様々な色が使われるようになりました。

かつては、食品のパッケージにおいて、青はタブーでした。
自然界からもたらされる食料には青が少ないことから、食欲を減退させる、というのがその理由です。でも、その青を上手に使うことができたら、次のようなメリットがあります。
  • 青が少ないぶん、目立つ
  • 赤の対になる色として使える
  • 食品に多い暖色系を、反対色の効果で引き立てる
また、シリーズ商品の識別性を色で高めようすると、色が不足して、青も使わざるを得ない、という事情もあるでしょう。
青という色がイメージから大きく外れないことも大事です。塩味やシーフード味、冬限定商品は青をたくさん使っても問題ありません。青を使うなら、「どんな青を、どう使うか」が大事です。アクセントカラーとして少量、青の色みが入ったり、配置や面積が変わるだけで、イメージがぐっとよくなる場合もあります。
毎年、たくさんの商品が店頭に並び、売れ行きが悪いと消えていきます。付加価値としての色が人の購買意欲を掻き立てるのですから、パッケージカラーがいかに大事かわかります。今後の新商品に注目してみてください。
   

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