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インターネット公開文化講座

文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

食物と色彩

くだものイメージ
私たちの日常生活に深く関わりのある色といえば、ファッション、インテリアの他にフードがあります。色からの連想では、「赤」からはリンゴやトマト、「橙」からはミカンやカキ、「黄」からはレモンや卵といったようにまず、食べ物が浮かんでくる人がほとんどです。栄養学の分野では「食の5原色」といういい方があります。果物は「赤」、「黄」、葉野菜は「緑」、根野菜と穀物は「白」、肉と魚は「赤」、「白」、海藻類やゴマ、豆類は「黒」といった具合に色で大別できます。
穀物イメージ
さらにこの色での分類を栄養価からみると、緑黄色野菜や果物にはビタミンやカロチンが豊富に含まれており、白に近い根野菜や穀物には炭水化物、赤系の魚肉類は高カロリーの動物性タンパク質、白系の魚肉類は低カロリーのタンパク質、黒系の昆布やワカメなどはカルシウムやミネラルが豊富です。ということは、食べ物の色を赤、黄、緑、白、黒、バランスよく取ることで栄養のバランスも取れるということです。
この「食の5原色」を色彩学的に解説しますと、白黒の無彩色を中心として、赤、黄、緑のバランスの取れた等差色相配色になり、見た目にも美しいカラーハーモニーになります。この5色配色の盛り付けは決して新しいことでもなく、伝統的なフランス料理や日本の懐石料理でもよく見られる配色です。
懐石料理イメージ
もっと庶民的な例はお弁当です。たとえば、白いご飯に赤い梅干、黒い海苔、緑のほうれん草、黄の卵、赤い鮭などの5色配色は栄養価が高いだけでなく、お弁当を美味しく見せ、食欲も増すことでしょう。日々の献立を考えるのは主婦にとって大変な仕事ですが、細かい栄養素のことがわからなくても5色を揃えるようにすると見た目も美しく、自然と栄養バランスもよい食事になります。色は衣食住すべてに関わりますので、色の知識を生かして彩りのある楽しい暮らしをしたいものです。(第9回「食卓と色彩」
お弁当イメージ
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