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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

カラーコーディネートの原則(その2)

 配色はイメージを演出します。前回勉強した色相差の少ない配色は、スッキリした統一感が得られ好感度は高いのですが、面白みに欠けるという欠点があります。ビジネスには適した配色ですが、スポーツなど活動的な場所、またはパーティーなど華やいだ場所にはもう少しインパクトが必要です。アクセントカラー(強調色)を加える方法もありますが、今回はきわだちや変化を狙った"対比の調和"を勉強しましょう。6回目の講座の色相環をご覧になり、左右に足し算、引き算してください。色相差8〜10は対照色相配色といい、赤と青、黄と青などスポーツウエアによく見られる配色です。色相差11〜12は補色色相配色といい、赤と青緑、黄と青紫など強烈な配色です。色相を大きく離す場合、ともすると奇抜なイメージになりますので鮮やかさを抑えたり、面積比を考える必要があります。色相差4〜7は中差色相配色といい、赤と黄、緑と青など色相にやや変化のある配色です。ヨーロッパでは昔からあまり好まれない配色ですが、日本では着物と帯、または半襟の配色に使われてきました。また、韓国のチマ・チョゴリの上下の配色にも見られます。中差色相配色は、エスニックなファッションに向く配色といえます。
 色は色相、明度、彩度の3つの性質で成り立っていますが、明度と彩度を複合して2次元で表したものがPCCSトーン図です。PCCSとはPractical Color Co-ordinate System(実用的な配色体系)の略で、配色調和のために開発されたシステムです。最も彩度の高いvivid tone(色相環の色)に無彩色(白、灰色、黒)を加えると様々なトーン(調子)に変化します。同じトーンの色はたとえ色相が違っても同じようなイメージなのでトーンを手がかりに配色することもできます。配色美とは統一と変化のバランスです。色相を近づけた場合はトーンを離し、色相を離した場合はトーンを近づけると効果的です。
 次回は色相環とトーン図を使用して3色以上の色をまとめるテクニックを勉強しましょう。

PCCSのトーン図
PCCSのトーンの概念


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