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インターネット公開文化講座

文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

クリスマスと色彩

年に一度のイベントシーズンが到来しました。冬の風物詩イルミネーションが豪華に街を彩っています。みなさんご存知のようにクリスマスはイエス・キリストの誕生祝いです。ヨーロッパでは、クリスマスには街中も個人の家も、赤と緑でデコレートされます。キリスト教国でない日本でも最近はクリスマスにライトアップする家庭が増えています。クリスマスの色といえば、サンタクロースの赤と白、クリスマスツリーの赤と緑の配色が浮かんできませんか?
キリスト教において赤は、「神の愛」と「キリストが流した贖罪の血」という相反する意味を持った重要な色です。カトリック教会では教皇に次ぐ枢機卿の法衣として用いられたことから赤のことを「カーディナル(枢機卿の意)レッド」と言っていました。教会が建てられるようになったビサンチン時代より色彩はシンボリズムとして採用され、今日まで聖職者の法衣の色彩ランクが次のように厳格に守られています。
  • 法 王・・・白(清浄、無垢という意味から神を表す)
  • 枢機卿・・・赤(神の愛、キリストの血)
  • 司 教・・・紫(高貴、尊敬)、緑(復活、再生)
  • 司 祭・・・黒(改悛、謙虚)
また、ビサンチン時代から作られ始めたモザイク壁画やゴシック時代のステンドグラスは「神の光」をどう表現するかということが第一の目的になっていました。キリスト教において神は光であり、「全ての人を照らすまことの光」であったからです。「光は闇の中で輝いている」とヨハネ福音書(1:5)にも記されています。
科学が進歩し、電気によって闇の中でも全ての人に光が与えられるようになった今、街中のイルミネーションをただ当たり前にきれい思わないで、「神の光」と感じてみてください。そして眩いばかりに目に飛び込んでくる様々な色の意味を感じでください。きっと幸せな気分になると思います。
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