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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

着物のカラーコーディネート

 イベントシーズンが到来しました。クリスマス、忘年会、カウントダウンパーティー、新年会など、どんなファッションで行こうかと頭を悩ませていませんか?全部同じ洋服では気分が出ませんよね。でも、着物を一着お持ちでしたらとても重宝します。帯や半衿などを替えるだけでがらりと雰囲気が変わるからです。
 着物は日本の伝統的な衣装です。洋装化された現在でも正装として堂々と着こなしていただきたいと思います。着物は洋服と違い、デザインもサイズも同じですので流行に左右されることなく長く着られるのが特徴です。直線的なラインは凛とした日本女性の美しさを演出できます。また、着物を着ると淑やかになってしまうから不思議です。
 私が着物にはまった一番の理由はカラーコーディネートが洋服以上に楽しめるからです。
着物には、まず半衿があり、場合によっては伊達衿を加えて色を足します。大きな面積を占めるのが着物(表地)と帯。ちらっと見えるのが帯揚げと、八掛け。全体を締めるのが帯締め。そして足元の足袋と草履。加えてバッグ。かなり、たくさんの色を合わせる必要がありますね。
 歴史的にみると、平安時代の貴族たちはこの色あわせのお洒落を競ったそうです。襲色目(かきねのいろめ)です。年齢や季節によって細かい色の決まりがあったようです。
 着物の色あわせを考えるときに、3つの基本があります。着物に帯や小物を合わせようとするときに、この原則に従って色を決めていけばいいのです。
『同系色で合わせる』
同系色で合わせると、モダンな印象になります。


『反対色で合わせる』
反対色で合わせると、クラシックな印象になります。


『柄の中の一色』
まとまりがあり落ち着いた印象になります。


 また、「明るい」、「暗い」、「鮮やか」、「地味な」などトーン(色調)でコーディネートを考える場合もあります。
 明るいトーンと暗いトーンなどイメージの違うトーンのコーディネートはコントラストが効いて華やかな印象になります。


 また、地味なトーン同士でコーディネートするとシックで落ち着いた印象になります。
 着物と帯のコーディネートを考えた後は、半衿、帯揚げ、帯締め、草履、バッグ、かんざしなどの小物にいたるまで、カラーコーディネーターにとっては腕の見せ所です。
 今回の着物と帯は、呉服屋「たけ屋みずほ」の若女将佐藤伸枝さんコーディネートです。佐藤さんは私の教室の卒業生で、カラーの知識を着物のトータルコーディネートに大いに役立て、お客様に喜ばれています。いくら高級な着物であってもその人に似合わなかったり、コーディネートが悪いと価値が半減してしまいます。素敵なコーディネートで思いっきり「和」の文化に触れるのも女性ならではの楽しみですね。
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